スウィング動画をAIによる3D解析技術でデータ化できる、コーチ専用のゴルフスウィング解析アプリ「スポーツボックスAI」。今回は、ブライソン・デシャンボーをはじめ多くのツアープロを指導する全米4位のトップゴルフコーチ、ダナ・ダールクイスト氏に、3Dデータを活用した最先端のスウィング理論について解説してもらった。

こんにちは。SPORTSBOX AI日本アンバサダーの北野達郎です。

今回は、ブライソン・デシャンボーをはじめ、数多くのメジャーチャンピオンを指導し、アメリカの『ゴルフダイジェスト』誌(Golf Digest)の最新ランキング(2026-2027年版)において全米第4位に選出されているダナ・ダールクイスト(以下、ダナ)を講師として迎えて開催された「スポーツボックスAI レベル1&2認定ライブイベント」の模様をご紹介いたします。

全米の学生ゴルファーたちに指導する「ラインテスト」とは?

まず、ダナが紹介したのは「ラインテスト」という独自のテストでした。これはハイレベルな学生ゴルファーを対象に、たとえば男子選手なら225〜185ヤードの距離を4・5・6・7・8番アイアンで、女子選手なら180〜140ヤードの距離を6・7・8・9番アイアン・PWで1球ごとに番手を変えて、5球×4セットのトータル20球をショットします。

画像: 画像①:ダナ・ダールクイスト。デシャンボーをはじめ多くのツアープロを指導している、全米4位のゴルフコーチだ

画像①:ダナ・ダールクイスト。デシャンボーをはじめ多くのツアープロを指導している、全米4位のゴルフコーチだ

ダナの意見では、この「ラインテスト」で各番手の飛距離に対する左右のブレ幅と縦の距離の精度が高いほどボールストライカーであり、このテストを行うことによって「スウィングを修正したい」と言ってきた選手が「本当にスウィングを直す必要がある選手なのか?」を判断できるということです。

このラインテストは、主に「自分のスウィングを確立できている」ハイレベルなゴルファーを対象としていて、もしラインテストの結果が良いのであれば、スウィングを直さずに別のチェックを行うそうです。

逆に、まだ体が出来上がっていないジュニアや、スウィングが確立されていないアマチュアゴルファーなどは、「どういうゴルフをしたいか?」によってスウィングを変えやすいとのことでした。このように、指導を行う対象のゴルファーのスキルや年齢なども考慮したうえで「よいスウィングを無理に修正して逆に精度を落としたり、遠回りしてしまうリスクを避ける」ということでした。

ダナはスウィングのバイオメカニクスやキネマティックシークエンス(運動連鎖)にも精通しているコーチですが、スウィング以外の部分からもアプローチを試みるのが印象的でした。

コリン・モリカワの復活優勝に貢献した、2020年と2025年のスウィングの違いとは!?

続いては、スポーツボックスAIのCEO・ジーヘ・リー(以下、ジーヘ)が紹介していた、コリン・モリカワ(以下、モリカワ)の復活優勝のケースについてご紹介します。

今週の「ベイカレントクラシック」にも参戦しているモリカワですが、2025年の夏に、当時調子を落としていたモリカワからスポーツボックスAIに連絡があり、「メジャーに優勝した2020年頃のスウィングと現在のスウィングで何が違うのか、自分もコーチもわからないから教えてほしい」と相談があったそうです。元々モリカワはストレートフェードを打つタイプの選手ですが、2025年の夏は引っかけに悩んでいました。

画像: 画像②:スポーツボックスAIのCEO・ジーへ・リー。元LPGAツアープロで、ミシェル・ウィー・ウエストの元マネージャーも務めたキャリアウーマンだ

画像②:スポーツボックスAIのCEO・ジーへ・リー。元LPGAツアープロで、ミシェル・ウィー・ウエストの元マネージャーも務めたキャリアウーマンだ

ジーへによると、スポーツボックスAIでの分析で2020年と2025年のスウィングを比較すると、トップからインパクトにかけての「Lead Wrist Bend」(左手首の掌屈の動き)が、2025年のほうがより過度になっており、その結果「Club Hand Gap」と呼ばれる両手とクラブヘッドの前後差において、2025年のほうはクラブヘッドがわずかに背中側に寝て下りていることが分かったそうです(プラスはヘッドが手よりボール側へ、マイナスはヘッドが手よりも背中側へ。ターゲットを0とします)。

画像③の右中央のデータをよく見ますと、「Club Hand Gap」のデータが左側の2020年はプラス3.6インチ、右側の2025年はマイナス2.0インチとなっています。2025年のスウィングのように、P6(ダウンスウィングでクラブが地面と平行の位置)で左手首の掌屈が増えると、フェースアングルはよりクローズに、スウィング軌道はよりインサイドアウトになります。

画像③コリン・モリカワの比較/上の2020年に比べて、2025年はわずかにスウィングに違いがある

元々フェードヒッターのモリカワにとっては、P6での左手首の過度な掌屈とインサイドアウトのスウィング軌道は、フェーストゥパスをよりクローズに向けてしまうので、意図したフェードとは逆球が出てしまう要因になります。この2025年の不振の原因が判明したモリカワとコーチは、2025年のオフシーズンにスウィング調整に取り組み、今年の「AT&Tペブルビーチプロアマ」での復活優勝へとつながりました。

今回は、「スポーツボックスAI」のCEOとワールドアンバサダーコーチによるライブイベントの模様を一部ご紹介させていただきました。

なお、ダナコーチは今週の「ベイカレントクラシック」でデビッド・リプスキー選手のサポートをしていて、今回が初来日とのことです。会場の「横浜CC」では、もしかすると選手だけでなく帯同コーチの中にもビッグネームを見かけるかもしれませんね!

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