
スウィングの感触が良くなってきたという吉田鈴(撮影/有原裕晶)
2日目を終えた際には、アプローチの進化を追い求めるなかでスウィングの「しなやかさ」を失い、不調に陥っていたことを告白していた吉田。しかし、2日目に5バーディ・ノーボギーの「67」で浮上すると、最終日は2イーグルでギャラリーを沸かせた。
「1日に2個は獲れると思ってなくて。調子が悪いなかの6アンダーなんで、ラッキーもありますね」
1つ目のイーグルは前半8番485ヤード・パー5。220ヤードからの2打目を3番ウッドで放ったボールはグリーンオンしスライスラインを一直線。あと50~60センチでアルバトロスというスーパーショットだった。

イーグルを奪った8番パー5の2打目、ピンへ向かったボールを見つめる吉田(撮影/有原裕晶)
「かなり会心でした」
そして後半17番395ヤード・パー4は難度2番目のホールで、2打目を122ヤードからピッチングウェッジ(PW)で放つと、ボールは直接カップへと吸い込まれた。
「(ボールが入る瞬間は)見えましたね。P(ピッチング)と9(番アイアン)で迷ったんですけど、(順目のグリーンで)9だと止まんないなと思っていました。Pでちゃんと打てれば乗る状況でガチャンと入ったのでうれしかったです」
最終18番555ヤード・パー5もバーディで締めくくり、12アンダーの4位タイと上位フィニッシュを果たした。大勢のギャラリーからの歓声を受け、プロとしての意識も口にした。
「このギャラリーが多いっていうのは当たり前じゃないですし、選手としてありがたいし、声援を受ける選手になりたいと思ってたので、最近そこに近づけられて、もっとこれから女子ゴルフ界のために、ギャラリーさんへのパフォーマンスは責任として考えなくちゃいけないなと思ってます」
2日目を終えた時点では「アプローチの試行錯誤をリセットして元に戻した」と話していたが、この日の2つのイーグルショットが復活へのきっかけとなった。

8番のイーグルの2打目、「インパクトの感じが出た」(撮影/有原裕晶)
「2つのショット(イーグル)はいいときのインパクトの感じが出てたので、あの感じっていうのは説明しようがないんですが、自分のなかで残ってるものなので、来週以降も試合のなかで、あのインパクトの感じを思い出してプレーしたいです」
スウィングの感触や体の変化についても冷静に分析する。
「体も変化してきて、同じ感覚でも違った動きをしたりします。インパクト感や形ではなくて、ボールを乗せる感覚をシビアに見ていきたいなと思います。一気に感覚が戻ることもあるし、少しずつ(感覚が)直ることもあるんですけど、どちらかというと一気に直るほうが今まで多いと思います」と一気に良くなりそうなショットの感触に手応えをつかんだ。
試行錯誤のトンネルを抜け、大きなきっかけをつかんだ今大会。吉田自身もこの1戦の重みを強く感じていた。
「この1試合で予選落ちするかいいゴルフできるかで、今後のゴルフは変わる試合だと自分で思っていました。ここで踏みとどまれて、来週地元で、またギャラリーさん多く来てくれると思うんですけど、いいプレーを見せたいですね」
2イーグルを奪い復調への期待感をにじませた吉田鈴。試行錯誤を経てつかんだ手応えと「ボールを乗せるインパクト感」を胸に、シーズン終盤戦でさらなる輝きを放つ。
