
スタンレーレディスホンダでホンダ所蔵の岩井明愛が国内ツアー7勝目を飾る
プレッシャーに打ち勝ち嬉し涙

ウィニングパットを決めると、右手でパターを掲げて力強いガッツポーズ
最終18番(パー5)、左3メートルからのバーディパットを沈めると、岩井明愛の感情が一気にあふれ出した。
右手でパターを掲げて力強いガッツポーズを作り、両手を大きく天へと突き上げる。そして、共に戦い抜いたキャディのマーク・ウォリントン氏と固く抱き合うと、その目からうれし涙がこぼれ落ちた。
「本当にうれしくて。キャディのマークはほかの方と優勝した経験はあるんですけど、私とのペアではまだなかったので、絶対に一緒に優勝したいなっていう思いがありました。ホステス大会で勝手に自分で感じていたプレッシャーもありましたし、たくさん応援してくれるゴルフファンの皆さんに少しでも元気になってもらえたらと思ってプレーしていたので、いろいろ感じるものがありました」
「勝てそうで勝てない試合」が続き、不安や焦りと戦ってきた。海外メジャーの「アムンディ・エビアン選手権」など、自分に勝ちきれずに悔しさを味わった大会が胸に残っていたことから解放されたことも喜びの涙につながった。

14番ボギーのあと、15番でバーディを奪いバウンスバックするなど、集中力を切らさなかった
単独首位でスタートした最終日も、終始攻めの姿勢を崩さなかった。
3番で210ヤードから6番アイアンで1メートルにつけてバーディを先行させると、4番で177ヤードから6番アイアンで3メートルにつけて連続バーディ。8番、12番でも着実にバーディを重ねて後続を引き離した。
14番(パー4)で1つスコアを落とす。76ヤードからの2打目を奥7メートルに乗せたものの、そこからまさかの3パットボギー。追いかける2位の河本結に1打差まで迫られた。
しかし、岩井の心が乱れることはなかった。
「ボギーを打ってしまったんですけど、そんなに深く考えなかったです。今日個人的に『20アンダー』を目指していたので、それに向かってコツコツやるだけだなと思っていました」
直後の15番は、94ヤードから54度ウェッジで左1.5メートルにピタリとつけてバウンスバック。嫌な流れを断ち切ると、最終18番も3メートルを沈めて鮮やかなバーディ締め。大会最少ストローク記録の16アンダーで優勝を飾った。
強気のパットと300Y超えのドライバーで16アンダーの大会新記録

平均飛距離が308Yを記録した
大会を通じて勝因となったのが、高速グリーンに対する強気のパッティングだ。「今週はパターがすごかったです。速いグリーンでなるべくカップオーバーしていこうと攻めました」と語るとおり、最後までカップをオーバーするスタイルを貫いた。
パッティングとともに岩井のプレーを後押ししたのが、異次元の飛距離を叩き出したドライバーショットだった。
3日間平均ドライビングディスタンスは、308.67ヤードを記録した(初日8番パー5では打ち下ろしと傾斜を生かし326ヤードを計測)。
「ドライバーに助けられています。2年くらい使っていますが、自分にすごく合っていて信頼しているし、心強い相棒です」と語る愛用の1本でフェアウェイをとらえ続け、リーダーボードのてっぺんを守り抜いた。
久々の国内ツアー参戦で、改めて感じたのは日本のゴルフファンと環境の温かさだった。
「アメリカでプレーしているときは自分のことを知っている人が少なくて寂しい部分もあるんですが、日本で『頑張れ!』とたくさん拍手してもらえるのは本当に大きな力になります。あと、日本の食べ物は本当においしい! 三島コロッケも食べました」

副賞でホンダの乗用車「Honda ZR-V e:HEV Z」を獲得した
また、同期である桑木志帆が今季「AIG全英女子オープン」で海外メジャーを制したことについても触れ、「志帆が優勝してくれてすごく刺激になったし、心からうれしかった。来季は志帆も米ツアーに来るので、ツアーに同い年がいなかったからタメ口で話せるのが今からすごく楽しみです」と笑顔を弾けさせた。
優勝副賞として贈呈されたホンダの乗用車「Honda ZR-V e:HEV Z」については、「ドライブで海に行きたいですね! 埼玉県には海がないので(笑)。友達を乗せてドライブしたら絶対に楽しいです。自分で運転するのも大好きなので」と声を弾ませた。
ホステス大会での優勝という重圧を最高の形でクリアし、7勝目をつかんだ岩井明愛。この勢いと自信を胸に、次なる舞台であるアジアンスウィング(アジアシリーズ)、そして米ツアーでの2勝目・メジャー制覇へと再び世界へ羽ばたく。
撮影/有原裕晶
