その年の“王者”を決めるプレーオフシリーズはPGAツアー以外のスポーツでも採用されている。日本のツアーにも導入するべきなのか考えてみた。

PGAツアーはプレーオフで“年間チャンピオン”が決まる!

毎年8月にPGAツアーでは3週間にわたり、プレーオフシリーズが開催され、フェデックスカップポイントランキングをもとに、出場条件が決められている。全3試合が行われ、第1戦のフェデックスセントジュード選手権はフェデックスポイントランキング上位70名が出場できる。

画像: 26年の年間王者はスコッティ・シェフラーが戴冠

26年の年間王者はスコッティ・シェフラーが戴冠

本試合の成績に応じてポイントが加算され、上位50名が第2戦のBMW選手権へ進出する。そして最終戦のツアー選手権は上位30名にまで絞られる。終盤に向かうにつれ強者同士の戦いになっていく仕組みだ。さらに2028年から試合数や方式といったレギュレーションが変更になり、新システムが導入予定になっている。3週間で全2試合が行われ、第1戦は「PGAツアー・チャンピオンシップシリーズ・フィナーレ」と命名され、ランキング上位90名の選手が対象となる。予選カットを行い72ホールのストロークプレー形式で争う。

この1試合で「年間王者」が決まる。残りの1試合が「ツアー選手権」となり、本大会終了時点でのポイントランキング上位32名が出場できる。新たなツアー選手権は開催地を変えながら、2週間のマッチプレーで行われる。1週目は出場32名が「4名×8グループ」に分かれ、グループ内の総当たりマッチプレーを各選手3試合行う。

各グループの上位2名×8グループの計16名が、翌週のファイナルステージへ進出する。そして2週目は進出した16名によるマッチプレートーナメント戦が行われる。最終順位を決めるため、敗退しても試合が続くシステムで全16名が4ラウンドすべてを戦い、トータルの勝敗によって順位が決まる。最後まで無敗を保った2人が最終戦でツアーチャンピオンの座を懸けて戦うというのが、新システムの概要だ。

現行システム
シーズン終盤の3試合が“プレーオフシリーズ”
27年までの現行システムは全3戦の構成になっており、第1戦の「フェデックスセントジュード選手権」はポイントランク上位70名、第2戦の「BMW選手権」では50名、そして最終戦の「ツアー選手権」は30名と段階的に出場人数を絞っている
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2028年導入予定の新システム
上位32名によるマッチプレーを取り入れる!
新システムでは、全2試合を3週間かけて行う。第1戦はフェデックスランキング上位90名によるストロークプレーで、その中の上位32名が最終戦へ進出。同大会は2週間のマッチプレー方式となり、第1週を勝ち抜いた16名が第2週で「ツアーチャンピオン」を争う

北米四大プロスポーツもプレーオフで熱狂している!

長きシーズンを締めくくる集大成となるプレーオフは、ゴルフだけでなく北米四大プロスポーツでも導入され、毎年全米が熱狂している。日本人にとって一番身近なメジャーリーグ(MLB)では、全30球団が2リーグに分かれ、さらに3地区に振り分けられている。各チームが162試合を戦い、各地区の優勝したチームと、同リーグ内で地区優勝チームを除いた勝率上位3チームを加えた6チーム×2リーグの計12チームがワールドシリーズを懸けてプレーオフに挑む。また他のNBA、NFLそしてNHLも同様にプレーオフを設けている。

MLBがプレーオフの期間には3競技のレギュラーシーズンが開始され、NFLが1月中旬から2月の中旬にプレーオフとなる。さらに4月から6月にはNBAとNHLがプレーオフに入る。プレーオフ開催時期だけで見ても4競技で約半年も行われていることになる。その後にPGAツアーが続いている。米国ではさまざまなメジャー競技によって一年間熱狂している。

NFL(アメフト)

12チームから2チームがスーパーボウルで激突

全32チームが9月から1月上旬まで各17試合のレギュラーシーズンを戦い、上位の14チームが1月中旬のプレーオフを経て、2月のスーパーボウルで頂点を争う。

画像: アメリカンフットボール

アメリカンフットボール

MLB(野球)

ワールドシリーズを懸けて12球団がプレーオフに進出する

3月下旬〜9月下旬に全162試合にも及ぶレギュラーシーズンを戦う。そして10月にプレーオフシリーズが始まる。両リーグ合わせて12球団がワールドシリーズ進出を懸けて戦う。

画像: 野球

野球

NHL(アイスホッケー)

各ディビジョン上位3チームにワイルドカード1チームが加わる

10月から翌年4月まで32チームが各82試合のレギュラーシーズンを戦い、上位16チームが4月からのプレーオフでぶつかり、2チームが6月のスタンレーカップで王者を争う。

画像: アイスホッケー

アイスホッケー

NBA(バスケットボール)

全30チームの中から16チームがプレーオフ進出

全30チームが10月中旬から4月中旬にかけて、全82試合を戦う。その後にウエスタン、イースタンカンファレンスの各8チーム×2の16チームによってプレーオフが行われる。

画像: バスケットボール

バスケットボール

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8月に開催されるPGAツアーのプレーオフシリーズや、MLB・NFLをはじめとする北米四大プロスポーツを空前の熱気へと巻き込む「年間王者決定戦」。2028年から導入予定の「マッチプレー方式」を含む新システムや、アメリカにおけるスポーツビジネスの盛り上がりを紐解いた。

続く後半では、「もし日本ツアーに導入されたらどうなるのか?」というテーマに切り込み、識者や有識者が現実的な課題と提言を激論。

  • 「試合数が圧倒的に足りない」
    佐藤信人氏が語る、出場枠を絞ることによる選手の出場機会減少リスクと、主催者がバラバラな男子ツアー独自の利害関係。
  • 「春先のスポンサーが降りるリスク」
    櫻美林大学・小林至教授が警告する、シーズン終盤だけを優遇することによるビジネスモデル上の危うさ。
  • 「本当に必要なのは入れ替え戦だ」
    タケ小山氏が提言する、下部ツアー(ACN/ステップ・アップ)上位陣とシード当落線上の選手によるリアルなドキュメンタリー劇。

単なる憧れだけでは導入できない日本ゴルフ界のリアルと、ツアーの価値を高めるための打開策に迫る必読の後半戦へ!

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PHOTO / Yasuo Masuda, Takanori Miki, Hiroyuki Okazawa, Getty Images

週刊ゴルフダイジェスト2026年10月27日号より

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