芸術の秋ということで、著名な彫刻家の作品や美術館のあるゴルフ場を2カ所紹介しよう。
画像: 久万CCの敷地内にある美術収蔵庫「久万青銅之廻廊」(コースの公式サイトより)

久万CCの敷地内にある美術収蔵庫「久万青銅之廻廊」(コースの公式サイトより)

まずは滋賀県にある朽木GC。クラブハウスの玄関前に立つ銅像は、同GCの設計者、前田建造のそれである(前田のことは後述)。だからなんなの? と言われそうだが、この作者が実は傑物。長崎市の平和公園にある「平和祈念像」を手がけた日本を代表する近代彫刻家、北村西望の作品だったのだ。ところが同GCでは作者の名前が長い間、判明しなかったという。

「ある会員の方に『長崎の祈念像と似ているので一緒の作者かも。一度問い合わせられてはどうですか?』と言われたのがきっかけです。北村氏の作品を所蔵・展示する『井の頭自然文化園 彫刻園』の学芸員の方に確認したところ、わがゴルフ場が開場した1972年に制作したという記録が残っていたのです」と語るのは統括責任者の四宮大介さん。北村氏が平和祈念像を完成させたのは1955年なので、その17年後の作品ということになる。前田と北村の関係については、同GCの経営母体が変わり、開場時から在籍する従業員がいないのでわからないという。

前田はもともと大工で、日本のプロ第1号の福井覚治の家を修理したことがきっかけでゴルフ界に関わり、兵庫CC、美加ノ原CCなど生涯で10コースほど設計している。

もう1カ所のゴルフ場は愛媛県にある久万CC。その敷地内に、美術収蔵庫「久万青銅之廻廊」が建造されている。創業者が美術愛好家で、収集した絵画や彫刻作品100点ほどが展示されている。そのなかにはロダンやルノワールの彫刻や、日本を代表する作家の作品、庭には奈良県のマスコットキャラクター「せんとくん」をデザインした藪内佐斗司の「走る童子」などが配置されている。

同CCは1974年開場。設計は福井八十八。前述の福井覚治と同じ一族の出身。同CCのほか、広島国際GC、周南CCなどを設計。

美術品を眺めながら、ラウンド後の興奮を静めるのも一興ではないか。

※週刊ゴルフダイジェスト2026年10月27日号「バック9」より


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