
「国内のレギュラーツアーに4試合目でようやく慣れてきた感じがします」という長﨑。先週はPGAツアー「ベイカレントクラシック by レクサス」にアマチュアで唯一出場した
この日は序盤の3番(パー3)で2メートルのバーディパットを沈めると、続く4番(パー5)でイーグル、5番(パー4)、6番(パー4)、7番(パー4)もバーディとし、前半だけで6アンダー「29」と一気にスコアボードを駆け上がった。
本人がキーと語ったのは、4番のイーグルパット。

4番でイーグルパットを決めてガッツポーズを披露する長﨑
ティーショットを残り269ヤードのフェアウェイに置くと、3Wを振り抜き、ピンまで3メートルに持ってくるスーパーショット。3メートルとはいえ、外してもバーディは確実だが、「イーグルパットが入ってなかったらたぶん前半の6アンダーはなかったと思います」と大事な一打だったと話す。外せば流れが悪くなるかもしれないというシビアな場面で、確実に決めきる勝負強さを発揮した。
彼のプレーから漂う堂々としたオーラは、わずか1週間前の光景とは明確に異なっている。先週、長﨑はPGAツアー「ベイカレントクラシック by レクサス」にアマチュアで唯一出場し、世界トップクラスの選手たちと同じフィールドに立った。しかし、その夢の舞台は「場違い感」があったという。
「客観的に考えると、ちっちゃくて細いやつが『なんかいる』的な感じでした(笑)」
テレビで見るような選手たちに囲まれ、緊張はしていなかったが、萎縮していた事実を明かした。しかし、そのPGAツアーの洗礼からわずか1週間後、国内最高峰の舞台で彼の意識は変化を遂げていた。
「今週は本当にもう場慣れ感と言いますか。やっぱ日本ツアーなので、全然自分の存在感はあるように感じます」
日本ツアー出場は4回目を数え、「慣れが出てきた」と語る。トッププロの中に混じっても、決して「観客」ではなく「主役」の一人として堂々とプレーできている精神的な成長が、そこには確かにあった。
暫定とはいえ、当初の目標であった予選通過は確実。次の目標を聞くと「この位置にいるので、『ローアマチュア』ですね。ただ欲を言えば最終日に優勝争い、少なくともリーダーボードに乗るぐらいの順位に来れればいいなと思ってます」。
この強気な発言の背景には、ただの若さゆえの勢いではなく、極めて現実的でシビアな計算が働いている。長﨑にとって、今大会でのローアマチュア獲得は、単なる名誉ではなく、明確な目的地への「最短ルート」なのだ。
「(ローアマを獲れば)僕がナショナルチームに入れるかどうかっていうくらい(アマチュアランキングが)上がる」
彼が真に見据えているのは、ナショナルチーム入りという明確な目標である。そのためのポイント計算を冷静に行い、この大舞台を「自分が存在感を示すべき場所」として利用しようとする、18歳らしからぬクレバーな思惑が透けて見える。

ショートパットを外すという、「もったいない3パット」が2回あった長﨑
もちろん、手放しで満足しているわけではない。「今日は3パットが3回ありましたが、うち1回はショットミスで仕方ないと納得しています。ただ、あと2回はショートパットを外したもの。昨日からずっとそんな感じで……」と、もったいないミスがあったという課題もフラットに自己分析している。
「場違いなやつ」という挫折感を経て、自らの「存在感」を確信し始めた長﨑煌心。首の痛みを抱えながらも、ナショナルチーム入りという明確なモチベーションを胸に秘めたこの若きアマチュアが、週末のリーダーボードをどう沸かせるのか。その戦いぶりから目が離せない。(文/山口哲平)
写真/姉崎正
