
岡田圭太。24歳。日本選手では1つ下に細野勇策や久常涼がいる世代だ。「まずは自分の実力を上げることです」
今年、太平洋クラブ ロイヤルコースで行われた最終予選会を通過し、ここタラオCCで行われる日本オープンに出場した。
東京都出身、2002年3月生まれの24歳、昨年プロ転向した。
「実は、この大会が初めての日本のレギュラーツアー出場なんです」
昨年はQTに失敗するも、今年は上り調子だ。プロテストにも合格した。
「このコースは、距離はありますが、ラフもそんなに長くなくてグリーンもやわらかい。でも、グリーン面がすごく難しいですね。そういえば、アメリカのコースと雰囲気は似ていると思います。木も随分切ったそうですし」
岡田は、高校、大学時代をアメリカで過ごした。中2で参加したIMGのサマーキャンプをきっかけに、そのままIMG高校に留学、生活習慣の違いに苦労しながらも充実した3年間を過ごした。ゴルフの実績も上がり、卒業後はハワイパシフィック大学に入学した。NCAAのディビジョン2で40位くらいに入り、3年時からはディビジョン1のネバダ州立大学リノ校(ユニバーシティ・オブ・ネバダ・リノ)に編入。プロゴルファーで解説者の佐藤信人の後輩だ。

実家は練習場を営む。得意クラブはアイアン。「コントロールショットは得意です」
「最初のハワイでの2年間はコロナ禍、右も左もわからない状況でしたが、父の知り合いの方がいたので助けてもらいながら自分の基礎を築き上げる時間になりました。転校してからは1部リーグに行ったので、そこでいろいろな素晴らしい選手と、いろいろなコースを回れた。すごい経験ができました。勉強も大変でしたが、英語にもだいぶ慣れて、本当にいい経験でした」
同世代には、現在PGAツアーで活躍する若手のスター候補が多くいる。
「マイケル・ソービヨンセンとは高校の同級生です。高校のときからすごくて雲の上の存在でした。先週、日本でベイカレントにも出ていましたよね」
今は大きな差を感じているが、同じ場所で育った同志に簡単に負けるわけにはいかない。
「少しずつ追いつけるように頑張りたいです」
今大会、予選の2日間とも1アンダーで回り、予選を通過した。
「目標が予選通過だったので、本当に嬉しいです。何も期待せずに来たので、まさか日本オープンで2日間、アンダーパーで回れるとは思わなかった。残りの2日間もアンダーパーで回りたいです」
ナショナルオープンの雰囲気も十分に感じている。
「初日の18番で12メートルくらいのバーディパットが入ったんですけど、すごく歓声が上がって、初めて気持ちいいなと思いました」
ラウンド中ずっと傍らで心配そうに見ているご両親の姿があった。父・光史さんは大学時代、片山晋呉らとナショナルチームのメンバーだったこともあり、長くトップアマとして活躍してきた。現在は日本ゴルフ協会のハンディキャップ委員会の委員長も務める。月曜日、日本オープンのコースレートのチェックも行った。
「77.9です」(父・光史氏)
通常のタラオCC西コースのコースレートは73.7であるから、やはり、7411ヤード・パー70、ナショナルオープンのセッティングの難しさがわかるだろう。
「自分がプレーするより緊張します。でも、プレーしたくなりますね。よく頑張っています」(父)
日本ツアーの出場権が取れなかった今年はずっと、台湾ツアーに出ていた。
「昨年はアジアンツアーの下部ツアーでいろいろな国に行っていました。行くたび初めての国とコースで、本当に刺激的でした。今考えるとよく頑張ったなと思います。最初の半分は親が来てくれましたが、それ以降は一人で。サウジアラビアやエジプトなど中東のほうが多かったです。アメリカとはまた違う感じで精神的に鍛えられましたし、ゴルフはマネジメント能力が上がった。自分の気持ちとマネジメントをいかに合わせていくか。それでスコアを作っていかないといけない」

初出場で堂々たるプレー。「見にきたいと思わせるような存在感のあるプロになりたいです」
“国際派”により磨きをかけ、今年は日本ツアーでのQT上位を目指す。
「この1週間くらい前にあったQTファーストで通って次がセカンド。とにかくQT突破が目標。来年は日本ツアーで頑張りたいです」
夢はもちろんPGAツアーだ。
「でも今は、日本で実力と自信をつけたいです」
本大会で優勝すると、来年のマスターズや全英オープンの出場権が付いてくる。
「それは神頼みしかない(笑)。そもそも自分でコントロールできることではないので。とにかく残り2日間アンダーパーで回って、1つでも上に行けるように頑張ります」
力強くうなずいて、練習場へ向かった。
日没のためサスペンデッドとなった第2ラウンドが無事に終了し、岡田の第3ラウンドは、同組に山下美夢有の弟・山下勝将、アマチュアでベイカレントに出場した長﨑煌心と決まった。「神頼み」と話す優勝を目指し、10時13分に1番ティーからスタートする。
文/吉竹鎮代
写真/姉崎正
