アマチュアゴルファーにとって、ドライバーのシャフト選びは終わりのない旅のようなものだ。口コミやプロの試打を参考にしても、本当に自分に合っているのかの確信は持てない。そんな迷えるゴルファーたちから「説得力が違う」と支持されているのが、USTマミヤのフィッティングだ。そのロジカルな手法の全貌に迫った。

現状のクラブにとらわれない「絶対評価」の重要性

今回、フィッティングを体験するのはアマチュアゴルファーの吉村俊彦さん。USTマミヤの公式YouTubeチャンネルを視聴し、その理路整然とした解説と診断方法に感銘を受け、スタジオを訪れたという。

画像: 吉村俊彦さん(56歳)。ゴルフに熱中し始めたのは約10年前。USTマミヤのYouTubeチャンネルで同社のフィッティングに興味を持った。「思ったほど飛ばない&曲がるドライバーを何とかしたいんです!」

吉村俊彦さん(56歳)。ゴルフに熱中し始めたのは約10年前。USTマミヤのYouTubeチャンネルで同社のフィッティングに興味を持った。「思ったほど飛ばない&曲がるドライバーを何とかしたいんです!」

担当するフィッターは、同チャンネルでも活躍する橋添恵さん。的確な診断能力と、明るく親しみやすいキャラクターで多くのゴルファーから注目を浴びる人気フィッターである。

画像: フィッターの橋添恵さん。YouTube上で「いつもUST Mamiya チャンネルご視聴『アッタス!』」と元気いっぱいの姿を見せてくれる。ロジカルなフィッティングで最適シャフトへと導く

フィッターの橋添恵さん。YouTube上で「いつもUST Mamiya チャンネルご視聴『アッタス!』」と元気いっぱいの姿を見せてくれる。ロジカルなフィッティングで最適シャフトへと導く

スタジオに入った吉村さんに対し、まずは問診からスタート。ヘッドスピードやゴルフ歴、ドライバーや5番アイアンの飛距離、ミスの傾向などをタブレットに記入していく。

ここでUSTマミヤのフィッティングにおけるひとつの特徴がある。それは「自分のクラブを持参することを必ずしも推奨はしていない」という点だ。もちろん持ち込む人も多いが、手ぶらで訪れても最適な1本を見つけ出せるシステムが構築されている。その理由について橋添さんは次のように語る。

画像: プロフィールはもちろん、現在の悩みなどを詳細に記入。これがフィッティングの基礎データとなる

プロフィールはもちろん、現在の悩みなどを詳細に記入。これがフィッティングの基礎データとなる

「私たちは、まずはお客様のヘッドスピードやスウィングタイプといった基礎データを知ることを最優先としています。スタジオにあるご自身がお使いのものに近いスペックのクラブを打っていただき、そのデータが取れれば問題ありません。今お使いのクラブに対して『これより硬く、これより重く』という“相対評価”ではなく、その人の筋力やスウィングのクセに対して何が一番合うのかという“絶対評価”を重視しているからです」

ゴルファーは往々にして、使用中のクラブを基準にしてしまいがちだ。しかし、そのクラブが合っていなければ、微調整を繰り返したとて正解にはたどり着かない。ゼロベースでその人のスウィングを診る。これがロジカルフィッティングの第一歩である。

握力を測り、適正なクラブ重量を推定する

問診後、橋添さんが取り出したのは「握力計」。フィッティング前に左右の握力を計測するというのだ。一見ゴルフとは無関係に思えるが、このプロセスが最適なクラブ重量を導き出すための重要な意味を持つ。

「左右の握力の合計から、最適なクラブ重量の目安を決定します。握力と全身の筋力は概ね相関関係にあります。握力だけ極端に強くて、腕や体幹、下半身などの筋力が弱いということは、基本的にはないからです」(橋添さん)

画像: 一番上の「75~95」という数字が左右の握力の和を示す。吉村さんの場合、45インチで組んだ際には305~310g程度が適正なクラブ重量になる

一番上の「75~95」という数字が左右の握力の和を示す。吉村さんの場合、45インチで組んだ際には305~310g程度が適正なクラブ重量になる

吉村さんの握力は右が48kg、左が43kgで、合計91kg。この数値を同社のデータテーブルに当てはめると、ドライバーの長さが45インチの場合、「305〜310g」が適正なクラブ重量であることが導き出される。これでシャフト重量の「大枠」が明確になった。

続いて、シャフト選びのもう一つの指標となる「振動数」の目安を立てていく。振動数とは、シャフトの硬さを数値化したもので、cpm(1分間あたりの振動の速さ)で表される。メーカーごとに異なる「S」や「R」といった表記にとらわれることなく、純粋なシャフトの硬さを比較できる。

画像: こちらもUSTマミヤオリジナルの、最適な振動数を表すグラフ。振動数は、番手が下がるごとに一直線の右肩上がりで推移するのが基本

こちらもUSTマミヤオリジナルの、最適な振動数を表すグラフ。振動数は、番手が下がるごとに一直線の右肩上がりで推移するのが基本

吉村さんの総重量の適正値を加味すると、45インチで組んだ際に最適な振動数は「259cpm」付近となる。この数値を基準値とし、本人の振り心地や球筋の好みを考慮しながらプラスマイナスの調整幅を持たせていくという。

基準シャフトの試打で発覚、自己認識とデータのズレ

ここからいよいよ試打へと移行する。吉村さんのドライバーにおける要望は「飛距離を伸ばしたい」「球の高さを抑えたい」、そして「時折出る、左への大きな曲がりを解消したい」という3点だ。

「では、現在お使いのモデルである『Qi4D(コア)』の9度を使用します。シャフトは、我々の製品ラインナップの中で性能的にど真ん中に位置する『ジ アッタス V2』です。先ほど導き出した基準に従い、重さは60g台、硬さはSを装着します。まずはこれを打って、基準となるデータを確認しましょう」(橋添さん)

画像: ど真ん中の性能を持つ「ジ アッタス V2」

ど真ん中の性能を持つ「ジ アッタス V2」

ウォーミングアップもそこそこに、渡されたクラブを振り抜く吉村さん。すると、初球から力強いボールが飛び出した。以後もストレートに近い弾道が連発し、本人も驚きを隠せない。計測データを見た橋添さんが解説を加える。

画像: 自分が思っていた弾道と異なるデータが抽出された

自分が思っていた弾道と異なるデータが抽出された

「ヘッドスピードは44m/sと速く、ミート率も非常に高いですね。ご本人が懸念されていた『球の高さ』ですが、適正値に収まっています。むしろ打ち出し角的には低めと言えるほどです。しかし、そのわりにはピークハイト(最高到達点)はしっかりと出ていて、スピン量も理想的。普通にいい感じです(笑)」

これを聞いた吉村さんは「打ち出しが低めだったとは、自分では気づけませんでした。データで客観視できるのはフィッティングの大きなメリットですね」と納得の様子。「いきなり打ちましたが、このスペックで申し分ない気がします」と満足気の吉村さんだが、橋添さんの分析はここからが本番だった。

スウィング動画で最適なキックポイントを探る

「一度、正面から動画を撮影しますね。スウィング中の動きから、より適合するキックポイントを導き出すことができます」

撮影した動画を再生しながら、橋添さんが注目すべきポイントを解説していく。

「見るべきところは、テークバックとダウンスウィングで、左腕が時計の『9時』のポジションにきたときの状態です。吉村さんの場合、クラブが上がる時と下りる時で手首の角度のギャップが非常に大きい。こういうタメが深いタイプは、切り返しでシャフトに大きな負荷がかかるため、しっかり目のシャフトが合いやすい傾向にあります」

画像: 切り返し後のタメが強く(左)、手元が腰の高さに下りたポジションで体と手元の間隔が広い。「こういったスウィングタイプの方は、しっかり目の手元調子のシャフトが合いやすいです」(橋添さん)

切り返し後のタメが強く(左)、手元が腰の高さに下りたポジションで体と手元の間隔が広い。「こういったスウィングタイプの方は、しっかり目の手元調子のシャフトが合いやすいです」(橋添さん)

さらに、もう一つの重要なチェックポイントが、ダウンスウィングで手元が「腰の高さ」に来たときの、手元と体の位置関係だという。

「腰がしっかりと切れている一方で、手元が体から右側に離れています。こういうタイプの方には“手元調子”のシャフトが合いやすい。逆に、手元が先行して左腰のほうに近づいていくタイプの方は、“先調子”が合う傾向にあります。吉村さんのスウィングと先のデータを総合すると、手元調子の『アッタス RX ウルトラ ブラック』の6Sが最適だと思われます」(橋添さん)

画像: “手元調子”の手強いイメージを払しょくする「ウルトラやさしい手元調子」を目指した「アッタス RX ウルトラ ブラック」

“手元調子”の手強いイメージを払しょくする「ウルトラやさしい手元調子」を目指した「アッタス RX ウルトラ ブラック」

手元調子と聞くと、ハードで球が上がりにくいというイメージが先行する。しかし「アッタス RX ウルトラ ブラック」は、独自の設計により「ウルトラやさしい手元調子」に仕上がっているという。

さっそくシャフトを差し替えて打つと、予想通り優秀なデータが並んだ。「ジ アッタス V2」に比べて、打ち出し角がわずかに上がり、スピン量も適度に増えたことで、キャリーの伸びが期待できる理想的な数値となった。

画像: 手元調子の「アッタス RX ウルトラ ブラック」でもナイスショット

手元調子の「アッタス RX ウルトラ ブラック」でもナイスショット

合わない理由も明確に言語化

ここで吉村さんからの希望もあり、永井花奈選手らの好調を支えている「アッタス RX ピュア ブルー」もテストすることに。同じく6Sでの試打を行ったが、数値は思ったほど良化せず、本来の持ち球であるドローとは逆のスライス系のボールが散見された。

画像: 今季、永井花奈プロの活躍にも大きく貢献している「アッタス RX ピュア ブルー」

今季、永井花奈プロの活躍にも大きく貢献している「アッタス RX ピュア ブルー」

「インパクトでのフェースアングルにバラつきが出ていましたね。『ピュア ブルー』は中調子なので、微妙にタイミングがずれ、フェースが戻りきらなかったようです」(橋添さん)

さらに橋添さんは「ヘッドスピードが42m/s以上ある方には、『LIN-Q(リンク)』シリーズもご提案しています」と、中間の剛性を持つ「LIN-Q パワーコア ブルー」の6Sを用意した。

しかし、こちらはすべて右に逃げるショットばかり。吉村さん自身も「硬く感じます。タイミングが取りづらく、難しい」と漏らす。

画像: 常に対話をしつつ、ゴルファーのフィーリングも大切にしながら進められていく

常に対話をしつつ、ゴルファーのフィーリングも大切にしながら進められていく

「LIN-Q パワーコア ブルー」の6Sは、振動数が271cpmと高く、しなり量が少なくトルクも絞られたハードなモデル。吉村さんの適正振動数(259cpm付近)からは離れている。念のため、振動数が267cpmの「5S」でもテストを行ったが、やはり右に逸れる弾道は変わらなかった。

こうして複数のモデルを打つことで、「なぜ合わないのか」がロジカルに証明されていく。感覚のズレがデータによって裏付けられることで、迷いなく次のステップへと進むことができるのだ。

最適解は「6SX」。フェースアングルを整える最後の一手

試打の結果、最終候補は最初に打った「ジ アッタス V2(6S)」か、手元調子の「アッタス RX ウルトラ ブラック(6S)」の2本に絞られた。どちらを選んでも十分な結果が得られる状態だったが、ここで橋添さんが「最後にもう1本だけ打ちましょう」と提案する。

手渡されたのは、ウルトラ ブラックの「6SX」だった。SフレックスとXフレックスの中間に位置する硬さである。

打ってみると、これが見事にはまった。飛距離こそ大きく変わらないものの、ボールの着弾点のまとまりが段違いに安定したのだ。

「候補だった2本ももちろん良いデータでしたが、ドローヒッターの吉村さんに対して、打ち出し方向がターゲットラインに対しほぼストレートだったのです。コースでの安心感を考えると、できればもう少し右に打ち出せる状態を作りたかった。そこで、少しだけシャフト剛性を上げた『6SX』にすることで、インパクトでのフェースのかぶりを抑え、狙い通りの右に打ち出されるドローになりました」(橋添さん)

画像: 「Qi4D(9度)」と「アッタス RX ウルトラ ブラック 6SX」の組み合わせが、飛距離、方向性ともに最高の結果を生んだ

「Qi4D(9度)」と「アッタス RX ウルトラ ブラック 6SX」の組み合わせが、飛距離、方向性ともに最高の結果を生んだ

吉村さんも充実した表情で語る。

「振り心地は、『ジ アッタス V2』より『アッタス RX ウルトラ ブラック』のほうがタイミングを取りやすく、気持ちよく振れていました。その上で、SXにしたことで弾道が明らかにまとまったので、大満足です」

【ジ アッタス V2・6S】
・ボールスピード: 64.5m/s
・打ち出し角:12.1度
・バックスピン:2440rpm
・キャリー:238Y
・トータル:260Y

【アッタス RX ウルトラ ブラック・6SX】
・ボールスピード: 64.8m/s
・打ち出し角:13.3度
・バックスピン:2508rpm
・キャリー:243Y
・トータル:263Y
※計測はGCクワッド。使用球はプロV1x。データは各3球の平均値。

最後に橋添さんはこう補足する。

「吉村さんはダウンスウィングでシャフトへ強い負荷がかかるタイプなので、最適な振動数から10cpmほど硬いSXでも問題なく振り切れます。コースでもう少し右に打ち出したいと感じれば、その場合は他のシャフトを試すより、ヘッドのスリーブ調整でフェース面を開くことで解消するほうがいいと思います」

画像: 「シャフトの力を改めて痛感したフィッティングでした。これで迷いなく精進できます」(吉村さん)

「シャフトの力を改めて痛感したフィッティングでした。これで迷いなく精進できます」(吉村さん)

ゴルファーの身体能力から適正な「重さ」と「硬さ」を割り出し、スウィングの動画解析から「キックポイント」を導き出す。いずれのステップにおいても、基準となる数値に基づき、最適解へと進んでいく。これがUSTマミヤのフィッティングだ。

難解なシャフト選びという迷宮に足を踏み入れてしまったゴルファーは、このロジカルな診断を受けることで、真に適合するシャフトが何なのか、そしてなぜそれが合うのかが明確になるに違いない。

<これがベストマッチ!>
【ヘッド】Qi4D(コア)9度
【シャフト】アッタス RX ウルトラ ブラック 6SX
【長さ】45インチ


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