桑木志帆が優勝した今年の「AIG全英女子オープン」は50回大会だった。そんな全英女子と同じ50年の歴史を歩んできたのが、長崎県佐世保市の西約70キロの海上に浮かぶ小値賀島(おぢかじま)にある浜崎鼻ゴルフ場だ。
画像: 五島列島北部にある小値賀島(おぢかじま)の浜崎鼻ゴルフ場

五島列島北部にある小値賀島(おぢかじま)の浜崎鼻ゴルフ場

1976年の開場で、元は牛の放牧場だった。牛が草を食んだ後はフェアウェイのように草が短くなっている。島に赴任してきたゴルフ大好きの銀行マンがそこに目を付け、地権者を1人1人説得して許可を得ると、距離を測ってコースを設け、グリーンを整備してカップを切り、ゴロゴロした小石を取り除いて手造りで仕上げ、ゴルフ愛好会「浜友会」を立ち上げたのが始まりだという。そんな浜崎鼻ゴルフ場の開場50年を記念したコンペがこのたび開催された。

ちなみに小誌連載の漫画『オーイ! とんぼ』のルーツとも言えるゴルフ場だ(実際の舞台は鹿児島県トカラ列島)。コースはパー3が3つ、パー4とパー5が1つずつの5ホールだが、東シナ海から吹き付ける湿り気を帯びた重い強風がハザードとなり、風しだいではクラブが4番手違うこともザラ。「風の壁に当ててグリーンに落とす」とか「低い球で風の下を通す」などの技量が求められる。

コースの整備は、すべてメンバーの勤労奉仕で行い、メンテナンスは粗削りだが面白さは十分堪能できる。それどころか、ここでプレーするとゴルフは自然相手だと理解でき、その面白さに魅了されて島外から遊びに来た人の多くが特別会員登録をして帰る。現在の正会員は49人、特別会員は29人。

小値賀島はもともと歴史と文化遺産の島で、遣唐使の時代には大陸との交易船の寄港地だったことを示す遺物も多く発見されている。それだけに島民の独立自尊の気風は強く、国や県が勧めた佐世保市との合併を拒否して自立の道を選んだ。そういう島民に支えられてきた浜崎鼻ゴルフ場。これからも次の50年に向けて力強く歩み続けていくことだろう。

※週刊ゴルフダイジェスト2026年11月3日号「バック9」より


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