バンカーの救世主ふたたび! 伝説の名器「リンクスマスターモデル」
GD なんだか悪戦苦闘されているようですが、どうしたんですか?
今井 「リンクスマスターモデル」のリシャフトを頼まれたのですが、どうにもこうにもシャフトが抜けなくて。もう30分くらい格闘しています。

ガスバーナーとヒートガンで温めるもなかなかシャフトが抜けません。格闘すること30分超でやっと抜けました
GD リンクスマスターモデルといえば、1970年代から90年代にかけてプロや上級者に絶大な人気を誇った名器です。「SWといえばコレ一択」という時代もありました。これまで何度も復刻され、2024年モデルはオリジナルに近い形状かつ新溝ルール適合ということで、当時を知る世代を中心に話題になっています。
今井 今回持ち込まれたのは復刻版ではなく、まさに約30年前のオリジナルです。あまりに抜けないので、何か昔のクラブならではの仕掛けでもあるのかと疑ってしまいます。
GD 昔のピンパターなどは、シャフト先端にスチールボールを入れて抜けにくくする仕掛け(ボールインシャフト構造)がありましたが、リンクスにも何かあるんでしょうか。
今井 いや、そのような構造は聞いたことがないですね。以前、日本アマチャンピオンの方から「金属のセル(ソケット)を通常のものに替えたい」と依頼されて抜いたことがありますが、そのときはすんなり抜けましたから。
GD リンクスマスターモデルのセルは金属製で、一目でわかる特徴があります。
今井 その日本アマチャンピオンの方は「金属セルだと重さを感じてしまうから」と通常の樹脂セルに替えられました。一方で今回の依頼者様は、「昔のツアープロが通常のセルに変えて使っているのを雑誌で見て、ずっと憧れていた」そうなんです。
GD それ、すごく分かります! 私も当時使っていて、「プロのマスターモデルは自分のとソケットが違う。なぜだろう?」と不思議でした。当時はまだリシャフトや工房という文化をよく知りませんでしたから。
今井 あ、抜けそうです……少し動きましたよ!
GD 仕掛けはありましたか?
今井 特になかったですね。ただ、ホーゼルの中でシャフトが少し曲がっていました。これが抜けなかった原因ですね。久しぶりに手こずりましたが、無事に抜けてホッとしました。
GD 今回のリシャフトは、どういった経緯のオーダーなんですか?
今井 最近バンカーショットの調子を崩してホームランとザックリを繰り返すようになり、昔使っていたリンクスマスターモデルを引っ張り出して打ってみたら抜群に調子が良かったそうなんです。そこで、他のアイアンの流れに合わせてシャフトを「N.S.PRO 850GH neo」に替えたい、というご依頼です。
GD 当時は「バンカー専用」としてバッグに入れているゴルファーも多かったですよね。
今井 バンカー専用とも言われていましたが、あの時代はそれぞれがヤスリでソールを工夫して削り、アプローチでも使えるように自分好みのチューニングをしていたんですよ。今回の依頼でも、リシャフトと同時に当時流行した「リーディングエッジを真っすぐに削る加工」を承っています。

削りすぎを防ぐため、あらかじめ削る箇所をマジックで印をつけてから削り始めます
GD マスターモデルは「グースネックの出っ歯」という独特の顔つきですが、その出っ歯をストレートに削るチューンですね。たしか、そのほうが日本の芝に合うという理由でした。
今井 そうなんです。マスターモデルはアメリカ生まれですから、洋芝で沈んだボールを拾いやすいように出っ歯になっているんです。一方、日本の高麗芝や野芝はボールが浮くので、出っ歯である必要はあまりないんです。リーディングエッジをストレートに削り落とすと、グースネックの懐(ふところ)がすっきりと際立って、アイアンと同じイメージでラインを出せるSWに生まれ変わります。当時は既製品を自分の手とヤスリで日本のコースに適合させていた。クラブの特性を見極め、自分好みに仕立て上げる。まさに先人たちの知恵ですね。

「マスターモデル」チューンの王道。リーディングエッジをストレートに削り落とします
GD バランスはどうですか? リンクスマスターモデルはヘッド自体が軽めでそのまま組むと「Cバランス」になると聞きます。そのためバックフェースに鉛をべったり貼るプロもいました。一方で、青木功プロのように「軽いほうがいい」とあえてCバランスのまま使う選手もいました。
今井 今回は35インチ仕上げで、ホーゼル内に2グラムのウェイトを加えて「C-8」にしました。スペックはロフト角57度、ライ角63.5度です。もし軽いようでしたら、昔のプロのように鉛を貼られるといいと思います。
GD ネックに「17-4 STAINLESS」の刻印がありますが、軟鉄鍛造ではないんですよね。リンクスマスターモデルは「ソフトステンレスだから打感が軟らかい」と言われていました。
今井 打感の軟らかさと、実際の材質の硬さは別物なんです。「ライ角を少しフラットにしてほしい」というご要望もいただいたのですが、ステンレス製で非常に硬く、曲がりませんでした。無理をすればネックが破損する恐れがあったため、安全を取って0.5度フラットにしたところでストップしました。

昔のクラブのためか? ネックの内径が細かったのでドリルで揉んで広げました
GD 30年前の名器が現代のシャフトをまとい、最新のクラブと一緒にキャディバッグに入って活躍する。これもゴルフのロマンであり、奥深い面白さですね。
今井 本当にそうですね。思い出の詰まった名器を現代に甦らせて、再び実戦で活躍させる。そんなこだわりのお手伝いも、ツアークオリティのクラブ工房「ゴルファーズラウンジ by tantanto.」では喜んで対応させていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。
【ツアークオリティのクラブ工房からのお知らせ】
東京・赤坂の「ツアークオリティのクラブ工房(ゴルファーズラウンジ by tantanto.)」では、ウェイト調整などの軽微な作業から他店で断られた特殊加工、本格的なリシャフトまで幅広く対応しています。「工房は敷居が高い…」と感じている方も、ぜひお気軽にお越しください!
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料金:6,000円〜(1本・税込)
※組み直し作業、長さ・ライ角・ロフト・バランスなどの各種調整込み。
※グリップ代別途(再利用可能な場合は無料対応)。選定シャフトにより料金が異なる場合があります。
【フィッティング料金】
料金:5,000円(40分・税込)
※キャンペーンご利用者限定の特別料金
※フィッティング後にシャフトを発注するため、作業は別日となります。
【工房へのアクセス・ご利用方法】
所在地:東京都港区赤坂2-13-18 コリンズ33 B1F(バーディ赤坂24内)
※「作業立ち合い」をご希望の方は事前予約をお願いいたします。
※全国からの郵送(送料別)でのご依頼も承っております。
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