
ゴルフ5レディスでツアー初優勝を達成した福田(撮影/大澤進二)
今回取り上げるのは、2026年「ゴルフ5レディス」で見事20歳にしてツアー初優勝を飾った注目の若手、福田萌維プロ! 今季も【平均飛距離:244ヤード(28位)】と上位の飛距離をマークし、その存在感を示している。彼女の持ち味といえば、さまざまなスポーツ経験から繰り出されるブレの少ない力強いスウィングだ。
今回完全再現した彼女の相棒は、直進性と高初速性能に定評があるタイトリスト「GTS2」ドライバー(ロフト9度)、シャフトにはグラファイトデザイン「ツアーAD UB」(6S)という、女子プロとしてはかなりハードな組み合わせ。グリップには爽やかなミントグリーンの「イオミック」を装着したスペシャルな1本を用意した。
試打環境はインドア、計測器はトラックマン4、計測用ボールは室内測定でも高精度に測定可能なタイトリスト「ProV1 RCT」ボールを採用

トラックマン4、タイトリスト「ProV1 RCT」を使用
男子アスリート顔負けのハードスペック! 「ロフト9度×UB 6S」の狙い

(画像:「GTS2(9度)」、シャフトは「ツアーAD UB(6S)」 ※プロはクラブを替える頻度が高いため、バランスは一般的なD2程度で試打(グリップは同ブランドを用意)
直進性に優れる最新の9度ヘッドに、パワーヒッター向けの60g台のSフレックス。20歳の若きチャンピオンがこのハードスペックを使いこなす秘密に、堀越プロと編集部が迫る。
試打者/ほりこし・よしかず 試打経験に裏打ちされた豊富な知識と確かな試打技量で、大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。クレアゴルフフィールド所属
編集部:福田プロといえば、20歳という若さで「ゴルフ5レディス」を制覇して一躍脚光を浴びました。そんな彼女のスペックを見ると、「GTS2(9度)」に「ツアーAD UB(6S)」と、女子ツアーの中でもトップクラスにハードなセッティングです。堀越プロ、このスペックを見た第一印象はいかがですか?

アッパーブローで振り抜く福田(撮影/姉崎正)
堀越プロ:女子プロのスペックとしては、正直かなりハードで驚きましたね。シャフトの「ツアーAD UB」は、先端から先中にかけての剛性が非常に高く、大型ヘッドでも当たり負けしない設計が特徴でしたよね。手元側に適度なしなりを持たせているものの、60g台のS(UB-6S)となると、男性でもアスリートゴルファーが使うようなしっかりとした重量感と張り感があります。
編集部:実は福田プロ、小学生時代に野球をしていたり、中学時代にゴルフと並行して陸上部で体を徹底的に鍛えていたそうです。ドライバーやフェアウェイウッドに挿しているこの「ツアーAD UB」は、ゴルフを始めて間もない中学生の頃から愛用しているシャフトなんだそうです。
堀越プロ:なるほど。鍛え上げたフィジカルの土台があるからこそ、このスペックを力負けせずに振り切れていたわけですね。スウィング写真を見ても、アッパーブローにボールをとらえ、下から上へと強いエネルギーで振り抜いているように感じます。ロフト9度で先端剛性の高い低スピン系の組み合わせであっても、彼女のようなアッパー軌道であれば打ち出し角をしっかり確保できます。こういうスウィングのプレーヤーは、軽くて軟らかいスペックだとインパクトで手元が浮いたりヘッドが暴れたりしやすいので、「UB 6S」のような重さもしっかり感もあるシャフトがタイミングを取りやすいんだと思います。
編集部:構えたときのヘッドの印象はどうですか?
堀越プロ:前回の三ヶ島選手も使用していた「GTS2」は、引き締まったきれいな洋ナシ形状ですね。ただ、9度となるとややハードに感じます。それもあってスクエアからわずかに逃げ顔に見え、左への引っかけを気にせず叩いていける安心感があります。スリーブポジションも標準の「A1」ポジションにセットしているようですね。
実際に試打を開始!
一般的なアマチュア男性ゴルファーを想定し、平均ヘッドスピード42m/s前後で試打
※10球試打したうちの平均値を算出
●キャリー/216.3Y
●総飛距離/250.0Y
●ボール初速/62.2m/s
●打ち出し角/10.6度
●スピン量/2334rpm
堀越プロ:打ってみると、インパクトの手応えがものすごく分厚いですね。 弾丸のような力強いライナーで飛び出し、着弾してからもボールがどんどん転がっていきましたよ。
編集部:初速のスピード感と着弾してからのランの伸びが凄いですね! トラックマンのデータはどう出ていますか?
堀越プロ:ボール初速が62.2m/s、打ち出し角は10.6度とやや低めの強弾道ライナーという印象ですね。スピン量が2334rpmと適度に抑えられています。そのおかげで、キャリー216.3ヤードに対してトータル飛距離は250.0ヤード、ランだけで33ヤード以上も稼ぎ出しています。
編集部:球が強いので、普段アゲンストの風に負けてしまって飛距離をロスしてしまうプレーヤーにもすごく参考になるセッティングに感じます。
堀越プロ:そうですね。「ツアーAD UB」の先端剛性が極めて高いため、当たり負けせずにフェースが上を向くことを防いでくれる感じがあります。そこに「GTS2」の反発力が加わることで、インパクトのエネルギーをすべて前への推進力に変換できているわけです。今回の組み合わせに加え、野球で培った振る力、そして陸上で鍛え上げた下半身のパワーが加わることによって飛距離につながっていると思います。
堀越プロの総評

今回の福田萌維プロのセッティングは、まさに「鍛え上げられたフィジカルとコンパクトなスウィング」を余すことなくボールに伝えられる組み合わせでした。
高いボール初速が期待できる「GTS2(9度)」に、先端剛性の高い「ツアーAD UB(6S)」を組み合わせることで、ボール初速62.2m/sというスピードを生み出し、9度のロフトで過度なスピンを抑えています。打ち出し角10.6度というやや低めの弾道でありながら、ランで約34ヤードも稼ぎ、トータル250ヤードも飛ぶ。
このセッティングは、「スウィングスピードはそこそこあるのに、球が吹き上がって風に弱い」「叩いて、強いライナー性の弾道でランを稼ぎたい」というパワーヒッターにとって、非常に頼もしい存在になるはずです。
ただし、一般的なアマチュアゴルファーがそのまま再現した場合には、打ち出しの低さに注意が必要です。9度のロフトに先端剛性がやや硬めとなるとかなり低いライナー系になる恐れがあります。アッパーブローにとらえる技術や、相応のパワーがないとキャリー不足になってしまうでしょう。
もし真似をするなら、ヘッドのロフト角を10度台にして打ち出し角を確保するか、シャフトを50g台のS(UB-5S)にスペックダウンするアレンジがおすすめです。そうすれば、左へのミスを恐れずに思い切り振り抜く安心感を保ちながら、福田プロのような直進性に優れた高初速の強弾道を体感できるはずですよ!
次回の「女子プロドライバーほぼ完コピ試打」もお楽しみに!
協力/トラックマン、タイトリスト、グラファイトデザイン、クレアゴルフフィールド

