優勝者に2027年のマスターズ(オーガスタナショナルGC)と第155回全英オープン(セントアンドリュース・オールドコース)への出場権が与えられる「第17回アジアパシフィックアマチュア選手権(AAC)」。ニュージーランドのテ・アライリンクス サウスコース(6842ヤード・パー71)を舞台に争われる今大会の第3ラウンド(ムービングデー)が終了し、日本の佐藤快斗がスコアを1つ伸ばす「70」をマークした。通算3アンダーとし、この日「67」を叩き出して単独首位(通算7アンダー)に立った地元ニュージーランドの大本命ザッカリー・スワンウィックと4打差の単独4位につけ、運命の最終日へと駒を進めた。

片野貫一朗は前日から9打縮める「70」で20位タイへ浮上

海沿いの名匠リンクスコースは、決勝ラウンドに入り一段と牙を剥いた。佐藤が「地面が硬くてグリーンも凄く速い。風も強いコースで、非常にハードなコンディションでした。さらにピンポジションが昨日より難しかった」と証言するように、この日のフィールド平均スコアは「74.40(+3.40)」まで跳ね上がり、選手たちは極限の環境下でのプレーを強いられた。

画像: 2日目は「79」と崩れたが、3日目は持ち直し「70」でフィニッシュした片野貫一朗(写真は2日目)

2日目は「79」と崩れたが、3日目は持ち直し「70」でフィニッシュした片野貫一朗(写真は2日目)

この過酷な状況を打ち破る鍵となったのが、力任せではない「頭を使った」コースマネジメントだ。

前日に強風に翻弄されて「79」を叩いた片野貫一朗は、一転して見事な我慢のゴルフを結実させた。

「パッティングの距離感が凄く安定していました。ピンポジションは難しかったですが、頭を使ってスコアを落とさない安定したプレーができました」

強風と硬いグリーンに対し、セカンドショットの落とし所を冷静に計算してリスクを徹底的に回避。前日からスコアを9打も改善させる「70(1アンダー)」を叩き出し、通算6オーバーの20位タイへと大きくジャンプアップを果たした。

後半「34」のバウンスバック――佐藤快斗が持つ卓越した修正力

画像: 首位と4打差の4位で最終日を迎える佐藤快斗。大学の先輩である松山英樹が通った道を佐藤も進めることができるか、注目だ

首位と4打差の4位で最終日を迎える佐藤快斗。大学の先輩である松山英樹が通った道を佐藤も進めることができるか、注目だ

一方、首位と4打差の4位で最終日を迎える佐藤のプレーにも、トップアマならではの卓越した修正能力が光った。

佐藤自身の振り返りによれば、「午前中は少しバタバタしてしまった形で、ティーショットの乱れから少しスコアを落としてしまった」と出だしの1番でボギーが先行する苦しい立ち上がりだった。

しかし、大崩れしないのが今の佐藤の強さだ。「今日はセカンドショットが結構いい感じで打てていた」の言葉通り、アイアンの切れ味を足がかりに落ち着きを取り戻す。11番でボギーを叩いた直後、12番(パー3)、13番(パー5)で気迫の連続バーディを奪ってバウンスバックすると、16番でもバーディを奪取。後半インコースを3バーディ・1ボギーの「34(2アンダー)」と見事な巻き返しで見せ、首位と4打差の好位置をがっちりとキープしてみせた。

先輩・松山英樹の背中を追って運命のラスト18ホールへ

いよいよ、オーガスタとセントアンドリュースへの切符を懸けた残り18ホールが幕を開ける。逆転戴冠を狙う佐藤の胸にあるのは、東北福祉大学の偉大な先輩の存在だ。かつてこの大会を制してマスターズへと羽ばたき、アジア人初のグリーンジャケットに袖を通した松山英樹である。

「本当に尊敬する先輩だと思っていますし、一ゴルファーとして本当に憧れる存在です。そこを目指して頑張りたいです」

地元ニュージーランドの熱気を背負う首位スワンウィックとの差は4打。最終組のひとつ前の組で回る佐藤にとって、プレッシャーをかけるには絶好のポジションと言える。

「最後の一打まで何があるかわからないコースだと思っているので、最後まで集中して、諦めずに頑張りたい」

硬く速いグリーンと強風を手なずけ、オーガスタへと続く扉をこじ開けられるか。若きサムライが、テ・アライリンクスでの大逆転劇に挑む。

【第3ラウンド終了時 日本人選手成績】

● 4位(通算3アンダー):佐藤快斗
● 9位タイ(通算2オーバー):本大志
● 20位タイ(通算6オーバー):片野貫一朗
● 28位タイ(通算9オーバー):矢田賢司
● 33位タイ(通算10オーバー):長﨑大星
● 45位タイ(通算16オーバー):長﨑煌心

写真/大会提供


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