6番ボギー直後の3連続バーディ――小祝さくらの勝負強さ

強い小祝さくらの帰還まであと少しか!?
この日「68」をマークした小祝さくらだが、本人の口から出たのは「なかなかバーディが来なくて、ちょっと、もがいていた感じ」という意外な言葉だった。しかし、もがきの中でも勝負どころの嗅覚は研ぎ澄まされていた。
象徴的だったのが、6番(パー4)でボギーを叩いた直後のバウンスバックだ。「前半の7、8、9番の3連続バーディがすごく良かった」と本人が振り返る通り、7番で獲り返すと、難易度8位の8番(パー3)では「左に出てヒヤッとしたが、本当に入りそうなショットができた」とミス気味の一打をピンに絡める運も味方につけた。続く9番(パー5)も沈めて一気に3連続バーディを奪い、リーダーボードの最上位へと駆け上がった。
後半はパーが並ぶ我慢の展開となったが、最終18番(パー5)で「最後にナイスアプローチができた」と手堅くバーディを奪取。状態が100%でなくとも、獲るべきホールを確実に仕留める勝負強さが彼女を首位に留まらせている。
36ホールでわずか2ボギー――推薦出場の野澤真央が光らせる安定感

フィーリング的には「気持ち悪い」というが、スウィング自体は安定している野澤真央
一方の野澤真央も、スウィングに違和感を抱えながらのラウンドだった。「自分の中では『気持ち悪いな』と思いながらショットを打っていた部分が結構あった」と、フィーリングが万全でなかった事実を明かしている。
しかし、スコアカードの内容は驚くほど堅実だ。初日「66」(7バーディ・1ボギー)、2日目「68」(4バーディ・1ボギー)と、36ホールで叩いたボギーはわずか2つ。この日唯一スコアを落とした10番(パー4)も、平均スコア「4.4362」を記録した全体で最も難しい「難易度1位」のホールだった。最難関ホールでのボギーは、マネジメント上は想定内の最小限の失点と言える。
「たぶん安定したスウィングができているから、ピンチが少なかった」と自己分析するように、再現性の高いスウィングの土台が致命傷を未然に防いでいる。
野澤は昨年のQTを経て今季はフルシードを持たず、今大会は主催者推薦枠での出場だ。「今年は『欲は出さない』というテーマ。推薦をいただけてありがたい」と語る通り、余計な気負いを捨てて決めたターゲットを淡々と狙う姿勢が、抜群の安定感をもたらしている。
好不調の波はどんなプロにも訪れる。しかし、その波をマネジメントと基礎技術の高さで吸収し、上位に食い込むのが実力者の底力だ。
「意識しすぎると失速することも経験している。自分の決めた目標をしっかり最後までやり切るだけ」と、野澤は静かに闘志を燃やす。
完璧ではない状態のまま極限のプレッシャーがかかる最終日へ挑むトッププロたち。彼女たちがいかにしてピンチを回避し、好機をものにするのか。そのしたたかなゲーム運びと我慢比べこそが、最終日の最大の見どころとなる。
写真/有原裕晶
