18番イーグルで「63」――リュウ・ヤンを支えた相棒と無我の境地

最終18番でショットイン・イーグルを決めてキャディと喜ぶリュウ・ヤン
この日、フィールドを最も驚かせたのはリュウ・ヤンの猛攻だ。1イーグル・9バーディ・2ボギーの「63」を叩き出し、自身の米ツアー18ホール最少ストロークタイ記録に並んだ。
ハイライトとなったのは最終18番ホール。ティーショットをラフに入れたものの冷静にレイアップし、ピンまで残り84ヤードの第3打。60度か54度の選択で迷う中、「フルスウィングで打てるほう(60度)」を選択。相棒キャディのマイケル・ミコライチャクから迷いを断ち切る「100%の確信」を与えられ、自信を持って振り抜いた一打は見事にカップへ吸い込まれ、劇的なイーグルを奪取した。
この日はパーオン率88.9%(16/18)、パット数「26」とショット・パットともに冴え渡り、本人も「今日はパターが燃えていた」と振り返る。しかし、真に驚くべきはホールアウト直後のやり取りだ。
「ホールアウトするまで、自分が今日何アンダーで回っているのか知らなかったんです。キャディに『今日はいくつだった?』と聞いて、9アンダーだと言われて自分でもとても驚きました」
スコアへの執着を手放し、目の前の一打だけに没入する究極の集中力。この無我の境地こそがビッグスコアの原動力だ。単独首位を走る山下美夢有についても「本当に安定していて素晴らしいゴルファー。だからこそライバルとして意識せず、自分自身の目の前の一打に集中する」とリスペクトを口にする。外の雑音に惑わされず、自らのプレーに徹する姿勢が光る。
【実際の映像】リュウ・ヤンのショットインイーグル! メイバンク選手権3日目18番【LPGA公式X】
@LPGA post on X
x.com2日連続の「65」――歴史的快挙へ挑む17歳アマ、マリサ・トジャイ
一方、首位と4打差の好位置につけるマリサ・トジャイが放つオーラも、17歳1カ月という年齢からは想像もつかない大物ぶりだ。

マリサ・トジャイは17歳1カ月というから日本だとナショナルチームで活躍中の廣吉優梨菜と同い年になる
アセアン予選を突破して本大会への切符を掴んだトジャイは、これがLPGAツアー初出場。にもかかわらず、第2ラウンド、第3ラウンドとプロ顔負けの2日連続「65」を揃え、堂々と上位に名を連ねている。
本大会におけるアマチュアの過去最高成績は、2024年にミラベル・ティンが残した12位タイ(通算10アンダー)。トジャイがこの位置をキープしてフィニッシュすれば、大会のアマチュア最高順位と最少ストローク記録を大きく塗り替える快挙となる。
ラウンド後の会見で、メディアから「今日の7アンダー(65)は自己ベストですか?」と問われたトジャイは、平然と「ノー」と答えた。「では自己ベストは?」と尋ね直されると、「13アンダーです」と事も無げに言い放ってみせた。世界最高峰のプロツアーという大舞台であっても、萎縮する気配は微塵も感じられない。
プレッシャーを知らない追撃陣
いよいよ迎える最終日の熾烈なバーディ合戦。
「結果のことは考えず、ただ今に集中する」と静かに語るリュウと、「LPGAの選手たちと一緒にプレーできて、とてもワクワクしている」と笑顔を見せるトジャイ。プレッシャーとは無縁の精神状態にある2人の勢いは、大会連覇を目指す山下美夢有にとって最大の脅威となりそうだ。
写真/Getty Images
