茨城県の太平洋クラブ美野里コース(6598ヤード・パー72)で開催中の日米共催ツアー「TOTOジャパンクラシック」の初日、冷たい雨と肌寒い風が吹き抜けるタフなコンディションのなか、髙橋彩華が6バーディ・ノーボギーの快進撃を披露。6アンダー「66」をマークし、首位タイ発進を決めた。トレーニングによる筋肉痛を抱えながらも、4つのパー5すべてを攻略する卓越したコースマネジメントに加え、前月投入したばかりの新パターが重いグリーンで絶妙な“もうひと転がり”を演出。「雨でも力感は変えない」と自然体を貫く髙橋が明かした好発進の舞台裏と独自の雨ゴルフ論を取材した。

筋肉痛をマネジメントでカバー! 4ホールのパー5を全バーディで「66」

画像: トレーニングの筋肉痛で体が動きづらかったという髙橋(撮影/岡沢裕行)

トレーニングの筋肉痛で体が動きづらかったという髙橋(撮影/岡沢裕行)

初日、アウトコースからスタートした髙橋は、2番(パー5)で6メートルを沈めてバーディを先行させると、7番(3メートル)、9番(2メートル)でも着実にスコアを伸ばして前半アウトを「33」でターン。後半に入っても勢いは衰えず、12番、17番のパー5を確実に仕留めるなど、4つあるパー5すべてでバーディを奪取した。

「トレーニングをしすぎて筋肉痛で体が動きづらかった」と決して万全のコンディションではなかったと振り返るが、「グリーンを外すと大きな尾根が走っているので、ピンポイントに打たなければいけないという集中力があった」と語る通り、ショットのわずかな狂いを卓越したコースマネジメントでカバー。難コースを完璧に攻略し、ノーボギーの快進撃を演じた。

「力感は変えず、天候通りに打つ」 グローブは雨でも1枚を貫く

雨が降り続く悪条件のなか、際立っていたのが髙橋の雨天への対応力だ。雨の日にプレーする時の考え方を聞いてみた。

「スウィングの力感は晴れの日とまったく変えません。雨が降れば当然キャリーや距離は落ちますが、そこを飛ばそうとして力まないように打つだけ。天候通りに打つという感覚ですね」

多くのゴルファーが陥りがちな「雨だから強く振る」「飛ばないからセーブする」といった意識を一切持たず、距離の低下をそのまま受け入れている。フライヤーやドロップのジャッジについても「結局は経験と雰囲気ですかね(笑)。ライを見て『フライヤーしそうだな』『ドロップしそうだな』と感覚で判断していますね」と髙橋独自の目線で語ってくれた。

さらに驚かされたのがグローブの扱いだ。雨の日には滑りを嫌って何枚もグローブを取り替えるプロも多いなか、髙橋は「水に濡れても大丈夫な全天候型グローブを1枚だけ使い、雨の日でも途中で替えることはない」と明かす。「変えないのは昔からで、強い雨でも気にならないんです(笑)」と良い意味で鈍感力があるのかもしれない。

新パター投入で「もうひと転がり」 雨で重いグリーンも攻略

高橋彩華が投入した新パター(撮影/岡沢裕行)

雨を含んで柔らかくなった美野里のグリーンに対し、「スピンやキャリーでピンポイントに落とさなければならず、突っ込まなければいけない状況は自分にとって逆に難しい」と分析した髙橋。その重いグリーン上で頼れる武器となったのが、10月の「富士通レディース」から投入した新パターだ。

「富士通レディースのときに(練習グリーンにあったこのパターを見て)見かけないパターだなと思って、少し打ってみようと思ったのが使い始めたきっかけです。構えてみると意外と色合いは気にならないし、むしろ黒のラインがくっきり見えて構えやすかった。加えて、今まで使っていたスパイダーよりも打感が軟らかいインサートなので、もうひと転がりが出てくれる気がします。シャフトもカーボンなんですが、嫌な感じがせずにしっかりしていたので使い始めました」と髙橋。

雨で重くなったグリーンに対しても「少し強く打つ意識を持つくらい」と最小限の調整で対応。「毎日バーディ合戦になるコースなので、出遅れないようにボギーを極力打たないマネジメントで伸ばしていきたい」と語る髙橋。シンプルに徹する自然体なゴルフと頼れる新相棒を武器に、週末の頂点を見据えている。

文/幅克成


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