TOTOジャパンクラシックに出場する注目選手のスウィングを連日紹介しています。今回取り上げるのは山下美夢有選手です。前週の「メイバンク選手権」(マレーシア)で岡本綾子さん以来38年ぶりの日本人選手による米女子ツアーの大会連覇を果たし、宮里藍さん以来のシーズン3勝目を挙げたばかりの山下選手は今週も好調をキープ。TOTOジャパンクラシックの初日もボギーなしの6バーディで「66」をマークしました。17番、18番の連続バーディで、岩井明愛選手、髙橋彩華選手と並ぶ首位タイで発進しています。
画像: TOTOジャパン初日も首位発進の山下美夢有(撮影/岡沢裕行)

TOTOジャパン初日も首位発進の山下美夢有(撮影/岡沢裕行)

米ツアー2年目の今シーズンは、本大会の前までに21試合に出場し、19試合で予選を通過。6月の「マイヤーLPGAクラシック」、8月の「CPKC女子オープン」、そしてメイバンク選手権で3勝を挙げ、トップ10入りは13回を数えます。CPKC女子オープンの優勝から6位タイ→8位タイ→3位→優勝と5試合続けてトップ10に入っており、世界ランクは4位につける無双状態。

米女子ツアーのポイントランク(レース・トゥ・CMEグローブ)は現在2位につけており、首位のネリー・コルダ選手とは530ポイント差で、今大会で勝てば米女子ツアー2連勝・今季4勝目となり、ポイントランク1位もいよいよ視界に入ってきます。活躍に対してあまり騒がれていない印象を受けますが、日本の女子ゴルフ史に残る、歴史的シーズンを送っています。

部門別のスタッツでは、フェアウェイキープ率80.50%で4位、パーオン率72.58%で9位、平均ストローク69.47で3位とトップクラスの数字が並びます。パッティングでどれだけスコアを稼いでいるかを示すSGパッティングは1位、アンダーパーで回ったラウンド数(53)も1位で、ショットの安定感とグリーン上の強さを兼ね備えています。

そんな山下選手のスウィングを中村修プロに分析してもらいました。

画像: フェースを開かずにテークバックから奥行きのあるトップを作る(撮影/姉崎正)

フェースを開かずにテークバックから奥行きのあるトップを作る(撮影/姉崎正)

「まずは、高校時代にポリタンクを2つ持ってスクワットをしていたという下半身と、厚みのある体幹。アスリートとして鍛え上げてきた体が、山下選手のスウィングを支えています。アドレスは反り腰にならず、両肩を下げた力みのない構えです。そこからフェースを開かずにテークバックしていきます。右腕を外側に回すように回外させ、手元が体から遠い、奥行きのあるトップを作ります」(中村、以下同)。

平均飛距離は252.62ヤードで138位と、飛ばし屋ではありません。それでもフェアウェイとグリーンをとらえ続けられるのは、この構えとトップがあるからです。

画像: 下半身との捻転差を作りながらダウンスウィングし、適度なフェースの開閉でインパクト

下半身との捻転差を作りながらダウンスウィングし、適度なフェースの開閉でインパクト

「上半身は開かずに、下半身との捻転差を作りながらダウンスウィングし、適度なフェースの開閉で安定感のあるドローボールを放ちます。その安定感の源になっているのは、スウィングテンポが18ホールを通して一定であることです。優勝争いのプレッシャーのなかでも、まったく変わることのないテンポこそが最大の強みです」

初日はアウトとインをともに3バーディの「33」でまとめた山下選手。昨年単独3位に入った本大会で、2連勝と今季4勝目をつかめるでしょうか。日本のトップから世界のトップへとジャンプアップした山下選手のプレー、2日目以降も目が離せません。


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