テーラーメイド「M1」と「M2」ってどんなクラブ?
2015年のPGAツアー終盤戦、今や“3強”の一角を占めるジェイソン・デイがドライバーをスイッチし、さらに飛距離を伸ばしたと話題になった。そのドライバーはテーラーメイド「M1」。クラウン部分にカーボンを使った「M1」は、圧倒的な低スピン弾道を生み出すと噂になり、また、ウェートの動きもトウ-ヒールだけではなく、前後にも動く仕組みになっている。
より自分に合った調整が可能になり、現在もバックオーダーを抱える人気ぶりだ。ちなみに「M1」の「M」はMulti Material(多様な素材)の頭文字からとったものらしい。グローレFの人気もあり、にわかに活気づいているテーラーメイドだが、今回早くも新たなモデルがラインナップに加わるようだ。それが「M2」ドライバー!
見た目は“双子”のようにそっくり! でも重量感はかなり違う
まずは、構えたときの「顔」を見比べてみよう。
いずれも目に飛び込んでくるのは、フェース側の「白」とボディの「黒」が生み出す強いコントラスト。フェース面側の白が非常に強調されて、アドレスで集中しやすい。個人的には、全体が白よりこちらの方が構えやすいように感じた。この2本、全体的な形が良く似ている。よくよく見ると、カーボンの部分の色が「M1」のほうが濃く、「M2」は若干薄い。また、白い塗装の面積が「M1」よりも「M2」のほうが広い。その分、「M2」の方がやや大らかな印象を受ける。
続いてフェース面。
フェース面は「M1」より「M2」のほうがやや長い。その分、重心距離が長くなっている。トウーヒールの打点のズレには強そうだ。この角度から見ても、形状は2モデルともよく似ている。
ルックスは似ているこの2本だが、重さは「M1」が312グラム、「M2」が296グラムと、16グラムの差がある。持ってみても、手に感じる重量には結構な差を感じる。このあたりも選ぶひとつの基準になりそうだ。
「M2」なら「やっちゃった!」と思っても“引っかけない”
それでは、試打に移ろう。まずは「M1」から。ツアープロがこぞって使うだけあって、中弾道の重い球で飛んで行く。打感はカーボンコンポジットながら、弾き感のある澄んだ音も残っている。そして感じるのは、かなりの低重心。フェースの下目で打っても、ボールが吹き上がることがないのは魅力的。
コースでコンスタントに飛距離を稼げるドライバーだろう。逆に、一般的に飛ぶと言われるフェースの上部に当たると、飛距離が伸びる感じはなく、打感もすぐれない。「M1」は、フェース面センターからやや下で打つぐらいの感覚でちょうどいいかもしれない。
次は「M2」。打った瞬間「なんだこの低スピンボールは!」という印象を受けた。「M1」に輪をかけて重い球だ。「M1」同様、フェースセンターからやや下目で打つと、打感も飛距離も損なわず、良いパフォーマンスを発揮してくれる。弾道はやや高く、いわゆるでっかい球で飛んで行く。初速は「M1」には劣るが、球の重さは「M2」に軍配が挙がった。そして、その重い球が先に行ってもなかなか落ちずに伸びていく。
低スピンながらドロップしない。このあたりは、上手いところに重心位置を設定できていることが感じられる。飛距離的には「M1」よりも上を行っているし、少々芯を外しても直進性が高い点は、特筆に値する。唯一、注意すべき点があるとすれば、重心距離が長いためか、ボールはつかまりにくい。スライスに悩むゴルファーは、扱いにくさを感じるかもしれない。ただ、裏を返せばどんなに引っ叩いても、左が怖くないドライバーとも言える。ちなみに、打感は「M1」よりもソフトな印象。
「M1」は多少操作感があるが、「M2」はとにかく“真っすぐ、遠くへ”を追求しているのがわかる。フェースの開閉をあまり使わないで、ボールをシンプルに遠くへ運びたい、そう考えるゴルファーに、「M2」はうってつけ。このオートマチックさは、テーラーメイドの「バーナー」と非常に近いものを感じる。2007年の初代バーナーのようなヒットをもたらすか、楽しみな1本に違いない!