湯原プロと言えば、試合会場の練習場では、いつも直角定規を置いて練習する姿がおなじみ。それほどアドレスの向きやボール位置を重要視しているんです。
湯原プロは現在、東京国際大学のゴルフ部で総監督を務め、ゴルフ部専用の練習場で、学生に向けた指導も行っています。そんな湯原プロに、今回は練習場の正しい使い方を教えてもらいました。ただ闇雲に球を打っているだけでは下手を固めている可能性もあります。これを先に読んでから打ったほうが、練習の効果はまったく違いますよ。
打席は3階でアゲンストがいい
さて、みなさん、街の練習場をどのように活用していますか? プロゴルファーだって、なかなか芝の上から練習できないので、けっこう街の練習場を使っているんです。練習場の規模にもよりますが、プロは何階でどんな状況で練習するのでしょうか?
湯原プロの答えは、「3階打席のアゲンスト」となります。何で3階? 1階のほうがレベルに球を打てて、弾道をイメージしやすいんじゃないかと思うんだけど……「3階のような高い位置にいって、球を抑えながら打つのがいいんですよ。高い位置だと球を上げようとしないですからね。僕も調子が悪くなってくると、だいたい2階、3階に行って、スウィングを修正するんです。上の階のほうが絶対に上達が早いですよ」(湯原)
なるほどー。3階って、けっこう練習場もすいていて、「下手な人が行く場所」というイメージがあるけど、実際はそうでもないんだね。あとアゲンストがいいってどういうことなんでしょうか?
「アゲンストも同じ理屈ですよね。球を無理にあげようとしなくなる。上げようとしちゃって少しでも体の起き上がりが早いと、簡単にアゲンストの風にやられちゃいますからね。アゲンストの中でも抑えの利いた球を打てるかどうかが大事。いい球を打っていれば、簡単には落とされませんから。まぁ、フォローの風で自信をつけるという考え方をする人もプロの中にはいますけどね」
なるほど。あなたの通う練習場はどんな風が吹きますか? アゲンストが吹きやすければ、それは上達にうってつけの場所かもしれませんよ。冬は寒そうだけど……。
(月刊ゴルフダイジェスト2016年3月号より抜粋、写真/有原裕晶)