いま、世界のトップを争うプレーヤーたちは、いったいどんなクラブを使っているのか?気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。選手の実使用クラブを打つのは難しいですけど、「レプリカ」ならば、近いスペックで組み上げることができるんです。
トッププロと同じモデルのヘッドと、近似スペックのシャフトを組み合わせて「レプリカ」のドライバーを作成し、試打するという企画です。
テーラーメイド・M1 460×三菱レイヨン・クロカゲXT 70(TX)
2015年の全米プロゴルフ選手権で自身初のメジャー制覇、その後快進撃を続けるジェイソン・デイ。パワフルかつ正確なショットを武器に、世界ランキング1位(2016年5月5日現在)に君臨、次なるメジャーを虎視眈々を狙っています。
デイは、1番や2番を入れちゃうくらいの”アイアンマン”ですが、一番の魅力はやっぱりドライバーショット。ややコンパクトなトップから一気に打ち抜くスウィングは、いつ見ても惚れ惚れしちゃいますよねー!
そんなデイが愛用するのは、ご存知M1。M1には、フルサイズの460と小さい430がありますが、デイをはじめ、多くのプロは前者を選んでいます。
カーボンコンポジットクラウンが特徴的なこのヘッド、重心深度は深く、低重心設計。重心距離はやや長く、飛ばし屋が低スピンの強弾道を打つのに適していると言えるでしょう。
ソールのウェートですが、赤い方は重心深度(スピン量)を、黒い方は重心距離(つかまり具合など)を調整可能。PGAツアーでは、あまり大きく動かしている選手はいないようです。基本設計がいいんですねー!
もっと詳しく知りたい方は、上記テーラーメイドのサイトをどうぞ。
M1 460を構えたところ。白と黒のツートンカラーが目を惹きますね。左を嫌うプロも納得のフェース向きはテーラーメイドならでは。ヘッドの奥行きは市販モデルの中では長めです。
シャフトはクロカゲ!
そして、デイの使うシャフトはクロカゲ シルバーTiNi 70のX。これは手元が動く系統のシャフトで、先は硬く締められています。並行輸入のドライバーにつるしで付いていたりするのですが、これが結構重く、かなり硬め…。やっぱり向こうの人はパワーが違うなあ、と思ったりするわけです。
「ジェイソン・デイのスペックでドライバーを組みたいのですけど、何が近いですか?」と三菱レイヨンに問い合わせたところ、こちらになりました!
ジャジャーン、クロカゲXTの70、フレックスはTX……!!
コシがあって、でも手元のしなりでタイミングを感じたい人に合うシャフトです。が、TXはちょっと…僕ら40m/s台のヘッド速度では硬すぎるのでは…
とはいえ、ヘッド速度50m/sを楽に超えるジェイソン・デイレプリカですから、そうなりますよね。ということで、デイレプリカドライバーを組んでみました。
クラブ長さ 45インチ
クラブ重さ 328グラム
スウィングウェート D6
シャフトの振動数 277cpm
デイの実使用ドライバー、スペックの多くは公表されていませんが、概ねこれに近いものではないでしょうか。もしかしたら、もう少し短く、重く組み上げられているかもしれません。これ以上長くはないのではないか、という推測の元に45インチで組んだらD6出ちゃいました。
M1のヘッドは重いので、どうしてもスウィングウェートが大きくなってしまいます。これを避けるには、短く組むしかありません。ヘッドの効きがものすごく、そしてシャフトは硬い、本物のハードヒッター向けドライバーの出来上がりです。
HS51m/s・谷口拓也プロが試打
吹き上がらずキャリーが伸びる!
組み上がったレプリカを、ジェイソン・デイ並みのヘッド速度を誇る谷口拓也プロに打ってもらいました。
「まず一番に思ったことは、シャフトが軟らかく感じるということです。手元からぐぐっとしなるので、このクラブを打つには切り返しで待つタメが必要です。タメを作れれば、体の強さで振っていけますね」
「ヘッドは重く、アップライトに感じます。顔はテーラーメイドらしい上級者向けの感じ。フェース向きも座りも、文句のつけようがありません」
「デイのスウィングは、高いトップを作って腕は何もせず、鋭い切り返しから強い体幹で回転して打っていきます。ですので、シャフトは手元調子が合うのでしょう。このクラブのスペックだと、レベルアッパーに打てる人に合うと思います。ティを高くして、気持ち打ち上げるようなイメージですね。低スピンで飛び出し、キャリーが伸びていきますよ」
飛距離データ
キャリー 297.6ヤード
ボール初速 75.7m/s
打ち出し角 14.7度
スピン量 2552rpm
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