不安定な足場でもグラつかないように振る
すくい打ちがいけないということはわかるのだが、どうすれば上手くハーフトップが打てるのだろう。
「ハーフトップを打とうなんて考えちゃダメ。意図的にハーフトップを打とうとして打てるくらいならそもそもダフらないよ。大事なのはクラブを振り上げないこと。パンチショットを打つくらいの感覚でスウィングするのが成功の秘訣だよ」(青山、以下同)
具体的にどうすればいいのだろう?
「インパクトの後、フォローを大きく取らずに手元が左腰の横に収まるように振る。手元がここを通れば、絶対にすくい打ちにはならないから」

クラブを振り上げるのがダフリの大きな原因。インパクトの後、手元が左腰の横に収まるように振れば、クラブは自然と上から入る
ほかにポイントはありますか?
「まずはクラブを短く持つこと。ミート率を高める効果もあるけれど、バンカー内で足が少し埋まる分、クラブを短く持たないとダフりやすいんだ。もうひとつは、ベタ足でスウィングすることかな。不安定な砂の上で、フットワークをダイナミックに使うことは危険。かかとを浮かさずに振る意識があれば、軸も安定するし、何より大振りにならない」

切り返しで手や腕に力が入ると、上体が突っ込んだり過剰なカット軌道になる。グリップに力が入らないよう、リラックスして静かに切り返そう
また、バンカー内では、足が少し砂に埋まる分、ボール位置はフェアウェイよりも高くなる。クラブを短く持つことでそれを調節することに加え、ミート率を上げる効果もある。
「フェアウェイバンカーはトラブルショット」と青山プロは言う。球を上げようとしない、大振りしない、というのがフェアウェイバンカーでナイスショットを打つための何よりの鉄則といえるだろう。
青山薫(あおやま・かおる)1952年生まれ。長年にわたって多くのアマチュアを指導してきた「下手を教える達人」。2009年レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞
写真/圓岡紀夫
(月刊ゴルフダイジェスト2016年6月号より抜粋)