フォローが短い打ち方を”タップ式”って言うけど、名手のパットはどうなのかな? 取材してみました。
いつの時代も入るのは”この打ち方”
コツンと打つのがタップ式だけど、昔も今も同じなのか、違うのか? 違いがあるとしたらどんなところに違いがあるのか? 永井延宏プロに聞いてみました。
まずは代表的なタップ式のプロは世界の青木さん、タイガー・ウッズ、最近ではジョーダン・スピースもタップ式で打っているように見えますね。
70年代 タップ式全盛時代
青木プロのタップ式の打ち方はグリーンやパターにその理由がありました。グリーンの芝はコーライや芝目の強いバミューダ芝などが主流でグリーン面に凹凸があってスムーズに転がらなかった。
上から打ち込むようなダウンブローで強いタッチで打って、少しでも芝の抵抗を受けないようにするスタイルでした。
T字やL字のパターが全盛だった。
80年代 ストローク式の誕生
ベン・クレンショーがストローク式の代表。グリーンの芝種が進化してスピードが早くなり、ラインを描いてカップインさせるようになった。
転がりがスムーズになったことで、転がるスピードとラインを合わせて打つのに適したマレット型のパターが流行り始めた。
2000年以降 共存時代
更にグリーンが進化し、より短く刈れる芝種とグリーンを刈る機械の改良で転がりがスムーズで繊細なタッチが求められるようになった。
タイガーやスピースに代表されるしっかりヒットしてラインに打ち出すスタイルと、フォローを大きく取るストローク式が共存共栄するようになった。
ピン型、ネオマレット型、ツノ型などパターの種類も豊富にラインナップされて自分のスタイルに合ったパターを選べるようになった。
現代のタップ式は
アッパー軌道
タップ式の打ち方にも違いがあると永井プロは言います。「昔のタップ式は芝目の強いグリーンに影響されないように、しっかり上からヘッドをぶつけて芝目の上をボールが滑るように打っていました。
現在は、グリーンの高速化でラインに乗せて転がすためにややアッパー軌道になりました。低い入射角でインパクトしてやや高い位置にヘッドが抜ける軌道です。
これだと、最初の転がりからボールに順回転がかかります。芝の抵抗を最小限におさえてボールの順回転続くようにしています」
日本は夏はコーライ、それ以外はベントグリーンのコースが多いですが、皆さんはグリーンで打ち方を変えたりしていますか?
現代のタップ式はダウンブローじゃなくてアッパーブローで打ってみましょう!
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