タイガー・ウッズとブッチ・ハーモンの出逢いは、タイガーのアマチュア時代だった。ブッチ・ハーモンは全米で三指に数えられるティーチングプロである。その名はグレッグ・ノーマンを賞金王に導いたことで、つとに有名になった。
「タイガーが17歳のときだったと思う。全米アマチュア選手権で32位に終わった彼と父親のアール氏が、私の家を尋ねてきたんです。ひと目で彼の持つポテンシャリティ(潜在能力)の素晴らしさを感じましたよ。そう、これまでのツアー選手の規格に当てはまらないスケールの、新しい規格の選手だということもね」
ブッチの指導を受け始めたタイガーは、翌年から全米アマチュア選手権3連覇という前人未到の快挙をやってのけた。
タイガーがプロに転向してからは、専属契約を結び、コーチ役を務めた。
そして専属キャディは、スティーブ・ウイリアムス。彼とのコンビで、メジャー通算14勝のうち13勝を果たしている。
この3人の時代が、タイガーにとっても絶頂期だったと思う。スティーブとは12年間のコンビ。
「彼は、僕のゴルフを知っているし、どのコースでもどうプレーすればいいのか、的確に分析してアドバイスしてくれる。その知識やデータ、経験はボクにとってものすごく役立った。マスターズでも、特に後半9ホールでのショットに関して何度も助けられました」
選手とティーチングプロ、そしてキャディのチームは、その選手の進化や年齢による時代の変化とともに移り変わっていく。果たして、いまのタイガーにどういうチームが必要なのか、という側面でタイガーの動向を読むのも面白い。(文・三田村昌鳳)