ディスタンス系とスピン系、アマボールとツアーボール。最近では「第3のボール」なるものも登場してきている。一概にゴルフボールといっても性能はいろいろだ。今日は、ゴルファータイプによって「飛ぶボール」が変わるというお話です!
GD ブリヂストンにはニューイング、ファイズといった飛び系のボールもありますが、プロが使う「ツアーボール」とは根本的に何が違うのでしょう。
宮川 徹底的にボールを潰すことによって、スピンを抑えるというのがニューイング、ファイズといった「ディスタンス系」です。ただ、「初速」という意味ではなかなかでにくいので、初速が出る、初速で飛ばそうというタイプとして「ジョーカー」を出しました。ジョーカーはボールを潰さないように考えています。
GD 初速を出した方が飛ぶタイプと、ボールの潰れでスピンが減ることで飛ぶタイプに分かれるということですか?
宮川 そうなんです。飛ばし方には2つあるんです。アウトサイドインでスライス系の人はスピンがどうしても多くなります。全体の6割から7割の人があてはまります。
GD アマチュアの6割、7割はスピンが多すぎ・・・
宮川 我々のデータとしては2800回転を基準にして、それ以下の数値、低スピンで打てている人は初速で飛ばすジョーカータイプ。2800回転以上の高スピンの人には、ファイズタイプとして、スピンを抑えて飛ばすというのが基本的な考えです。
GD 簡単に言えば、ダウンブローのカット打ちですか。
宮川 現在はスピン量を計測できる機械が増えてきたので、自分のスピン量を知っている人もいると思いますが、この傾向は、徐々に変わってくるかと思います。現在スピンが多めの人が5ヤード飛距離を伸ばすのは簡単です。多いスピンを減らしてあげたら、「このボールで5ヤード飛ぶようになった」なりますから。
GD 逆にスピンの少ないタイプは?
宮川 宮里藍プロがまさにそうで、藍プロの飛距離をボールの性能で5ヤード伸ばすのはかなり難しい。2000から2200回転で安定していますから、正直苦しい。これ以上低スピンにしたらボールが落ちてしまいますし。
GD コアが硬くて、カバーがやわらかいというのが、宮里プロには非常にマッチしたわけですね。
宮川 そうですね。藍プロには「飛んで止まる」ボールでも、もともとスピンの多いプロが使うと吹き上がり、飛ばないボールになってしまう。
GD プロでもスピンが多いタイプがいるんですね。
宮川 はい、昔は・・・。今はトラックマンなどで簡単にスピン量を測れたりするので、ほぼ2000から2500回転で打てるようになってきたのも分かりました。それによりプロは現状大きな飛距離を得ることができているんだと思っています。
GD そうすると、ボールの進化も行き詰まってくるわけですね。
宮川 アマチュアゴルファーにメリットが得やすいボールなどはまだまだ出来ることはたくさんあると思っています。
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