世界に誇るMPの鍛造
アイアンのフィーリングにこだわるゴルファーの間では「ミズノの軟鉄鍛造の打感は、他とはひと味違う」と言われている。
その理由のひとつに、ミズノがこだわるグレインフォージド製法がある。この製法は特許を得ており、ミズノがのアイアンでしか味わえない打感の秘密のひとつだ。
一般的なフォージドでは、ヘッドとネックを別々に鍛造して後から溶接するケースが多いが、ミズノは1本の棒材からヘッドとネックの一体成型しているのだ。

この製法によって「鍛流線」と呼ばれる金属組織の流れが、ネックからヘッドまで途切れることなく成型できる。インパクトの音や感触が、ネック部分で遮られないため、心地よいフィーリングを味わえるのだ。
月刊ゴルフダイジェスト編集部では、ミズノの鍛造工場の取材を決行、鉄の塊がアイアンに姿を変える様子をカメラに収めた。
鉄の棒をアイアンにする「粗鍛造」
材料となる鉄の棒を、アイアンの形にする工程。熱した鉄を叩く音で、工場内には隣の人と会話できないくらいの音が鳴り響く・・・
![画像: 材料はこの丸棒。MPシリーズ用には純度の高い「S25CM]を使用](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2016/06/08/2ed17571e8daaf1e5cc4fa34244209d62e36effa_xlarge.jpg)
材料はこの丸棒。MPシリーズ用には純度の高い「S25CM]を使用

棒材を熱してヘッドひとつ分の長さに切断し、ネック部分を曲げて一気に叩く

ある程度ヘッドの形になった。この時点でヘッド重量がほぼ決まる

さらに叩いて、ヘッドの型から余計な”バリ”を取り除く

打ち立てほやほやの「生ヘッド」。ネックの穴などは以降の工程で空ける
完成品に近付ける「精密鍛造」
さらに熱を加えて精密鍛造の工程へ。外形やキャビティ部など、最終形状に近いカタチを成形しつつ、最後に鍛造で刻印を入れて完成へ向かう。

打ち立てほやほやの状態

形を設計通りに近付ける

この工程でスコアラインなども彫る

キャビティ部を特殊機械で掘削したところ
ミズノの鍛造アイアンはこのような工程で作られている。他とはひと味違う打感をあなたも味わってみてはいかがだろうか。

写真/小林司
最新ギア情報も余すところなく網羅!月刊ゴルフダイジェスト