上司にカウンター寿司に誘われた!“もしも”のときの基礎知識
「好きなもの頼んでいいよ」(上司)
そう言われたはいいけれど、何を頼んだら…よし、
「とりあえず、えびを…」(ボク)
「はいよ、今日は極上の車エビが入ってますよ!」(大将)
「おお…おおおう…(汗)」(上司)
こんな会話、容易に想像つきますよね。そんなとき、少しでも知識があれば上司に嫌な顔をされずにスマートにお寿司を頼めるようになるかもしれません!
上の写真のえび、どちらが車エビでしょうか?
まずは目利きチェック。車エビはどっち?
当たりましたか?
大人の寿司入門~えび編~
急にカウンター寿司に連れていかれても、すんなりと頼めるのが“大人”というもの。ここでお寿司入門です。回るお寿司屋さんのえび。あれは「メキシコ海老」通称メキというえびなんです。手軽ですし味もまぁまぁで、多くのお寿司屋さんが使っているとのこと。他のえびの種類でいうと、
ボタンエビ→濃厚の甘みが嬉しいエビ。エビの中では結構貴重で多少お高く付いてしまうことも多いのが残念なところ。味わいには文句がないので、たまに奮発して食べていただきたいエビです。
アマエビ→ボタンエビより小さいので寿司にするときは2匹ほどまとめて握ることもおおいエビです。味は名前のとおり口中に広がる甘さが絶品。エビの寿司の基本中の基本として、ほとんどのお寿司屋さんで楽しめるエビです。
車エビ→ある意味ではエビの王様とも言えるエビで、味の良さは保障つきの逸品。甘さ、歯ごたえ、食感、風味などどれをとっても一流の味わいです。値段は高いものの、最近では養殖物もでまわっていくらかは口に入る機会がふえたかと思います。
シャコ→今までのエビとは少々遠い種ですが、このシャコも一応エビの仲間に入ります。寿司ネタとしては特に江戸前寿司で愛用されています。シャコは普通のエビと違い抱卵を開始するころ、つまり夏場が最も美味しいとされています。
伊勢海老→贅沢なエビの代名詞とも言える伊勢海老。しかしながら一品が高くつくせいか、刺身などではよく食べられるもののあまり寿司ネタとしては活用されてないようです。やはり伊勢海老は殻も一緒に出てきて贅沢感を楽しまないと損なのかも知れませんね。
ご存じですか?江戸前の高級シャコ「小柴のシャコ」
幻のシャコともいわれている小柴のシャコ。このシャコが獲れる「柴漁港」を、昭和の終わりから平成にかけて支えていたのがシャコ漁だ。すしネタなどに使われることが多かった。最盛期の平成元年には、年間約190万枚のシャコを出荷していたとのこと。
ところが1994年を境に、シャコの漁獲量は半減。2005年、全面禁漁に踏み切った。その後、試験操業などで随時シャコの状態を調査。資源回復の兆しが見えた10年に一時解禁したものの、その後2年間大々的なシャコ漁は行われなかった。
今でも入荷量は少なく、いつ手に入るか分からないので、幻のシャコとなっているらしい。もしお寿司屋さんで見かけたら、上司の目を気にせずに迷わず注文するのがいい。
寿司屋でひとこと!
エビの一種シャコは名前からシャコ=車庫=ガレージなどという呼ばれ方をしますが、似たようにお寿司屋さんではしょう油をムラサキ(商品名であるとか高貴な色だからとか諸説あり)とかきゅうりをカッパ(カッパの好物だから)などいろいろな言い換えがあります。
また、お勘定をお愛想と言うのは、実は客側から言う言葉ではなかったりします。店側が「ぶしつけに勘定のことを持ち出すなどさぞかしご愛想尽かしでございましょうが」を略した言葉だからです。こうした符丁を使うのは避けたほうがいいでしょう。