「ゼクシオ」といえば初代が2000年に登場して以降、もはや国民的クラブと言っても良い人気シリーズ。ダンロップから発表されたラインナップを見て「Miyazakiモデル」って何だ? と気になった人も多いに違いない。実は今回の9代目ゼクシオには2つのモデルがあり、それぞれ個性が違う。見た目が黒になって締まった印象を持つことができる「Miyazakiモデル」。いったいどのように進化したのか探ってみよう。
「ゼクシオ ナイン」はスライスが出ない!?
まずは「ゼクシオ ナイン 」の純正MP900装着モデルから試打。構えた顔はゼクシオらしく安心感のある“ややフックフェース”のつかまり顔だ。クラウン部分にフェース面が伸びているようなデザインが9代目の進化のように思える。安心して振ることができるように、ロフトが多く見えるように工夫されている。
ライ角がアップライトに設計されているのが分かるだろうか。これがつかまりやすい要因のひとつ。また、フェース面はシャローで、いかにもボールが楽に上がってくれそうだ。ヘッドサイズが460ccでここまでシャローだと、構えた時に大きく見えるのも当然。それが安心感につながるわけだ。
ゼクシオならではの高く澄んだ音が心地いい。そして安定してドロー系の高弾道の球を打つことができる。飛ばそうとしなくても、自然につかまって高初速で飛び出してくれるようだ。クラブ重量が272gと軽量なので、自然とヘッドスピードも上がる。ヘッドも効いてるので軽さによる頼りなさを感じない点も良さだ。
9代目となる「ゼクシオ ナイン」はヘッドだけでなく、シャフトにも力を入れて開発したとのこと。研究と実験を重ねて開発されたのが純正シャフト「MP900」。手元側に重心がある軽量タイプだが、とにかく振りやすい。ヘッドの弾き感と相まって、極限まで振りやすくなった。
また、振り抜きやすく設計されているので、ヘッドスピードに自信のないゴルファーでも十分に飛距離を出せる。右にすっぽ抜けるということがなくつかまり、スライスに悩むゴルファーにも力まずに安心して打てる、ドライバーが苦手なゴルファーにとって心強い武器なるだろう。
「Miyazakiモデル」はゼクシオに“アスリート”の要素が加わった
次にお待ちかねの「Miyazakiモデル」。シャフトには新開発のシャフト「Miyazaki Melas」が装着されている。「ゼクシオ ナイン」の純正モデルはヘッドが濃紺色だったが、このモデルはシャフトの色に合わせて黒になっている。
構えてみたところ形状に大きな違いは感じないが、黒というだけあって“締まった”雰囲気を醸し出している。全体的にシャープな見た目で「ゼクシオ」らしくない印象だが......。
フェースは一般的なドライバーに比べるとシャローな部類に入る。しかし、純正モデルと比較すると、フェースに少しだけ“厚み”が増したように感じる。フェースの弾き感や澄んだ打音、球の上がりやすさは純正モデルと同じように抜群の良さだが、つかまりという点においては純正モデルのように、自然と高弾道のドローを打てるというわけではない。「Miyazakiモデル」の方は、高弾道だが操作性が高く、ドローボール一辺倒というわけではない。
また、クラブ重量が299グラムと純正モデルより27グラム重くなったからか、しっかり振り切る必要があるように感じる。
多少ハードヒットしても、球が吹き上がることがないのは、ヘッド性能か、シャフトの性能なのか......。ただ、確実に言えることは「Miyazaki Melas」シャフトは「叩ける人」に合っているということだ。思い切り振りに行ったときのシャフトの暴れも少ないし、ドライバーを叩いても方向性は安定する。
今までのゼクシオのイメージは「クラブが仕事をしてくれて飛ばしてくれる」だった。しかし、「ゼクシオ ナイン Miyazakiモデル」はそうではない。自分でしっかり振る必要があるし、それに応えてくれるだけのスペックに仕上がっている。あくまで目安だが、ヘッドスピードが43m/sくらいあると性能をフルに発揮できるだろう。
もちろん、ゼクシオだからやさしいドライバーであることには違いない。従来のやさしさに「アスリートの要素」が加わったのが「Miyazakiモデル」と考えてよいだろう。ヘッドスピードに自信があるというゴルファーには「Miyazakiモデル」の方が球が吹き上がらないし、方向性も安定するのでオススメだ。