「親父のおさがり鑑定団」では、過去モデルではあるものの、未来に継承したいそのクラブにまつわるエピソードをご紹介します。

ダンロップスポーツ ゼクシオ(初代)

このやさしさにプロも飛びついた

ダンロップスポーツ
ゼクシオ(初代)
2000年

グースネック形状により、長い番手でもつかまる設計を実現。やさしいながらも日本人の琴線に触れる「いい顔」で人気を博した。

やさしさを突き詰めた画期的な和製ブランド

2000年、ダンロップはそれまで持っていた「キャロウェイゴルフ」の代理店契約を手放すとともに、独自のブランドを発表する。「XXIO」。今でこそゴルファー誰もが知る王道ブランドだが、発売当初、この文字を正しく発音できるゴルファーはほとんどいなかった。

来たる21世紀を見据えて「21」をローマ数字で表す「XXI」にゴルフボールを表す「O」をつなげて「XXIO」とした。

ゼクシオという発音ももちろん造語。「読みにくい」という声は社内からも上がったという。しかし、ゼクシオは“機能”と“やさしさ”でユーザーに自らの名前を浸透させていった。王者ゼクシオに立ち向かうライバルたち、「GLOIRE(グローレ)」「PHYZ(ファイズ)」のネーミングに「XXIO」の影響は少なくないだろう。

画像: 2000年 ダンロップフェニックス 片山晋呉プロが使用

2000年 ダンロップフェニックス 
片山晋呉プロが使用

このアイアンの開発目標は、とにもかくにも「やさしさ」。上級者好みの硬派なダンロップブランドに対して、同社のアベレージ向けモデルをカバーしていたキャロウェイブランドの位置づけだ。上級者に比べてミート率の低いアベレージゴルファーのミスを軽減し、球筋を安定させ、スコアアップの手助けをするアイアンとして、ドライバーとともに大ヒットを記録。その後の成功はご存知の通りだ。

画像: 初代XXIO 2000年発売

初代XXIO
2000年発売

フェースにチタンを装着するやさしいアイアンといえど、顔のよさは譲れない。違和感を抱かせるような顔つきでは、繊細な日本のゴルファーには受け入れられない。そのあたりもよく研究され、生粋の日本ブランドとしてゼクシオは生まれてきた。

初代から大ヒットとなる希有なシリーズであり、日本のゴルフクラブ界の天下を獲ったモデルとして、歴史にその名を刻む。

※月刊ゴルフダイジェスト2014年2月号より

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