秋は、各社から新製品が続々とデビューする季節。新製品ラッシュの中、今回試打するのはプロギアの「RS」シリーズから新たに出たアイアン2本。「RS」シリーズはツアーモデルではないが、アスリートモデルという位置づけだ。スペックからも違いが表れているが、打ち比べてより詳しくその違いをあぶりだそうと思う。
“かっこよさ”と“やさしさ”のバランスが最高「RS フォージドアイアン」
構えたときの顔はトップブレードが薄めで、精悍な顔つきをしている。中空アイアンにありがちな“ボテッ”とした形状ではない。操作性も良さそうな、シャープな見た目をしている。
打感は中空とは思えないほどに柔らかい。まるで軟鉄アイアンを打っているような打感をしている。球がフェースに喰いつく感じがして気持ちが良くスウィングすることができそうだ。メーカーによると、軟鉄のような柔らかさは独自の技術である「FLASH ONE」という“振動減衰機能”を持つシーリング材を、中空部に挿入することによって実現しているらしい。
マッスルバック形状でありながら、ロフトは32度(7番アイアン)。最近のクラブの中では標準的といっていいロフト角だが、一般的なマッスルバックアイアンに比べると、2~4度ほど立っている。それでも、球はしっかりと上がってくれるし、強い弾道で飛んでいってくれる。
見た目のかっこよさを追求しつつ、それでいてやさしさも捨てられない。「RS フォージドアイアン」はそんなゴルファーにうってつけのアイアンだ。
遠くへ飛ばせる、そしてやさしい「RS チタンフェースアイアン」
続いては「RS チタンフェースアイアン」。「RS フォージドアイアン」に比べると、トップブレードは厚くなっていて、少し丸みを帯びている。若干ではあるがグースも効いていて、いかにも「包み込んでくれる」ようなやさしい見た目だ。サイズは大き目ではあるが、大きすぎないところもいい。
打音は少し金属音が強く、打感は喰いつくというよりは弾く感じだ。球離れが早く、ボール初速も速いな。そして、このクラブ一番の特徴は「飛距離」。自分が思っている以上に、飛んで球の高さも申し分ない。これなら無駄に力むことなく、気持ちよく自分のスウィングをすることができる。
そして、多少スウィートスポットを外しても、飛距離の落ち込みは少ない。その辺は「さすがポケットキャビティ」といったところか。深重心設計なのでストロングロフト(7番でロフト30度)でもボールが高く上がってくれる。左右の球のバラつきが少ないのもこのクラブのいいところだ。
ドライバーほどではないだろうが、アイアンに飛距離を求めるゴルファーは多いだろう。このクラブは、やさしく飛ばせて、なおかつミスヒットにも強い。最近飛距離が落ちてきたな、というゴルファーは一度お試しあれ。