東北新幹線・那須塩原駅から車で20分、千本松牧場260万坪の松林の中にホウライCCはあります。隣接して西那須野CCがあります。経営は共にホウライ株式会社です。設計も共にボン・ヘギー。ホウライCCはほとんど完成品、西那須野CCは未完成品、まだ書き込む余白がいっぱい残されています。

画像: 西那須野9番。米プロツアーの総本山・TPCソーグラスの18番ホールを模倣したデザイン

西那須野9番。米プロツアーの総本山・TPCソーグラスの18番ホールを模倣したデザイン

書き込むのは設計家ではなく、プレーヤー自身です。ここへ来たら一泊して2コースを続けてプレーされることを薦めます。ゴルフ場が2つあれば、ゴルフの楽しみ方にも2つあることが、よくわかるはずです。

千本松牧場は遡れば、伊藤博文、西郷従道、松方正義ら、明治の元勲の那須開墾社に辿りつきます。広大な農場、牧場は後に松方正義の十五銀行、三井銀行と受け継がれ、今でも域内に松方別邸があり、参観できます。

画像: ホウライ11番。岬の突端のグリーンは池の中に浮いているように見える

ホウライ11番。岬の突端のグリーンは池の中に浮いているように見える

ベン・ヘギーを、ゴルフコース設計の「光の魔術師」という人がいます。絵画でいえば印象派、セザンヌという喩えでしょうか。なるほど明るい、色彩感覚に鋭いがどこにも極彩色がない、フェアウェイもラフもバンカーも背景の色合いの中に溶け込ませてしまって明るい。河口湖CCでもそうですが、南面の千本松牧場ではもっと明るく美しい、美しいが難しい。それから先は設計者の差配の問題です。

2007年ゴルフダイジェスト社刊
田野辺薫「一度は回りたいニッポンの名コース」より

写真/三木崇徳

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