「S55アイアン」の後継モデルとして、ピンから新しく登場した「iブレードアイアン」。ピンのいわゆるツアースペックアイアンとしては、3年ぶりのモデルチェンジ。前作「S55」も打ち比べながら、どのように進化を果たしたのか? しっかりと検証していこうと思う
シンプルで「カッコいい」見た目!打ってみると「やさしい」
構えてみると、さすが「S55」の後継モデルといったところか。小ぶりなヘッドでシャープな顔つきは以前のモデルと同様だが、トップブレードは薄くなっている。ネックはほぼストレート形状で、つかまりすぎを抑えた見た目になっている。「iブレードアイアン」は上級者がいかにも好きそうなモデルに進化したようだ。
「iブレード」には、431ステンレスという素材がフェースに使われている。「S55」もフェースにはステンレス素材が使われていたが、前作よりも約20%軟らかいステンレスを採用したとのこと。その通りに“超ソフト”な打感が手にしっかり残る。そして、バックフェースの中にある衝撃吸収剤の効果か、ミスヒットしたときの「嫌な打感」がまったく手に残らないので、いいイメージを持ったまま次のショットに移ることができる。
また、球は上げやすくてアスリートモデルといえど、見た目以上にラクなアイアンになっている。ロフト角も前作「S55」に比べると1度ではあるが寝ている。この辺も球の高さに影響しているかもしれない。また、ロフトは1度寝ているのに飛距離は2ヤードくらい伸びる傾向にあるというから、球の高さと飛距離を両立する進化を果たしている。
それに芯を少しぐらい外しても、飛距離の落ち込みは少ない。そういった「やさしさ」もこのアイアンの魅力のひとつだ。
ソール幅は「S55」よりも、若干ではあるが「iブレードアイアン」の方が広くなっていてやさしさが増した。バウンス角も大きくなったことで、抜けが良くなり、ダフりにくくなった。
そして「iブレード」は様々なシャフトに対応していることが最大の進化と言えよう。今回試打したのは、「ダイナミックゴールド S200」と「MODUS3 TOUR 105 」。前者は手元調子で、しっかりダウンブローに打てる人には合う。後者は中調子でDGより約15g軽くなっている分、振りやすく打ち出し角もDGよりは高い。ダウンブローというよりはレベルブローに打ちやすく、しなりを感じやすくなっている。
※試打した2本のほかに、「MODUS3 TOUR 120」と「N.S.PRO 950 GH」がラインナップ
今回の「iブレードアイアン」、見た目は、シンプルなデザインとシャープな見た目で「カッコイイ」。打ってみると、打感が“超ソフト”で、「やさしい」設計となっている。難しそうな見た目だが、上級者以外の方でも十分打ちこなすことができるモデルなので、ぜひ一度試してもらいたい。