嬉しい感情は大切に
でもそれを引きずりはしない
ラウンド中は、嬉しいこと、反対に悔しいこと、さまざまな感情が頭の中を行き交います。しかし、感情の“貯蔵庫”にしまうのは、嬉しいとか気持ちが晴れやかだとか、そういうプラスの部分だけにします。マイナスの感情、怒ったりイライラする気持ちは絶対に脳の中にしまい込まないこと。自分が犯したミスを、あたかも映画の中の出来事のように処理してしまうことです。
プラスの感情は貯蔵庫の中に大いにしまってください。バーディパットが決まった時、グッドショットが打てたときは大いに喜びましょう。そしてその感情を脳の中の貯蔵庫に大切に保管します。すると、次に同じような状況になったとき、そのイメージが浮かんで、再びグッドパット、グッドショットが生まれやすい状況になるということです。
ただ、その感情を次のショットや、次のホールに持ち越すことはいけません。新たなショットに向かうときには平常心に戻っていること。感情が平らになっていなければ、ナイスショットは期待できません。
いずれにしても、自分のプレーを冷静に分析する余力は残しておかなければいけません。たとえミスしても、その原因を客観的に観察することを怠っては同じミスを繰り返すばかりです。
感情の貯蔵庫に蓄えた方がいいことを英語でasssociatedといいます。仲良くする、慣れ親しむという意味です。私はこれをassa(アッサ)と呼んでいます。反対に蓄えてはいけないことをdissociatedと表現します。隔絶するとか、切り離すという意味です。これはアッサに対比させてdissa(ディッサ)と呼んでいます。ゴルフでは、このアッサとディッサのバランスを保つことが大切です。
嬉しい感情は大いにアッサし、怒りの感情はディッサします。アッサした感情によってグッドショットやグッドスコアにアクセスできるんだと覚えてください。
その一方で、マイナスの感情をディッサしなければ、グッドショットにはアクセスできません。怒りの感情をいつまでも蓄積していると、俗に言う“キレやすい”人間になってしまいます。
では、アッサとディッサのバランスをうまくとるにはどうしたらいいか。アッサは比較的簡単。嬉しいことは素直に喜ぶんです。その感情を貯蔵庫に取り込みます。このことは、生活のあらゆる場面で実践してみてください。
ディッサの方は、ものごとを客観視することで養うことができます。たとえば感情を表すような言葉を一切使わずにラウンドするのもいいでしょう。ミスした時に「悔しい!」とか「惜しかった」「信じられない」などの言葉を一切口にしないようにします。
しゃべるならただ客観的な事実だけを言いましょう。たとえば「ピンまで150ヤード。風はアゲンストだから6番でしっかり打つ」といった具合です。もちろんミスしても「逆目の深いラフだったからヘッドを振り抜くことができなかった」というように、冷静に事実だけを言うようにします。
嬉しい感情とは仲良くし、嬉しくない感情は切り離す。これを実践していけば、普段の生活の中でもポジティブな思考ができるようになるでしょう。アッサとディッサのバランスをとることは、ポジティブな考え方を生む下地ともいえます。
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