ドライバーショットでは、飛距離を出すために「インサイドイン」に振ることが大事だと言われます。しかしアマチュアの多くは、とりあえずクラブを内側から下せばインサイドインだと思って、手を使って無理やりその軌道を作っています。
しかし正しいインサイドイン軌道でスウィングするためには下半身リードでクラブを下すことが不可欠です。藤田寛之プロも、「ヘッドを正しい軌道に動かすのは、手ではなく下半身」と下半身主導の重要性を説いています。

藤田寛之プロ
43歳で初の賞金王獲得
ツアー通算18勝を誇る
そこで今回は、藤田プロにインサイドインに振るための「正しい下半身の動き」をレッスンしてもらいました。
打つ前に「ステップ素振り」
プロでも緊張した場面では手でクラブを下しやすくなります。そんなときに藤田プロがやってきたのが“ステップ素振り”です。

左足を上げて、右に体重を乗せる

その体重を左に踏み込んで移す
「下半身リードってなかなか感覚が分からなくなると思うんです。でも左足を踏み込んでステップしながら切り返すと、必ず下半身リードになります。あとは肩の開きを我慢すれば、クラブは立ったままインサイドから下ります」(藤田プロ)
左肩を開かずに、ステップを踏むように下半身から切り返せばクラブは立って下りる
藤田プロが行う“ステップ素振り”には、正しい下半身の動きを確認するという目的があったのです。では、切り返しのときに意識するべきことは何か、教えてもらいました。
下半身の動きがよく分かるレッスン
レッスン① 椅子に座るように切り返す
手はここをキープ
ダウンスウィングで腰をかけるぐらい左足を踏み込む
下半身リードを意識すると左サイドにスウェイする危険があります。椅子に座るイメージを持つと、下半身が流れることなく、アドレスの位置に戻すことができるのです。
レッスン② 右を向いてまま、左に踏み込む

上体をなるべく後ろに向けたまま

グッとねじれる
下半身リードを意識するときに大切なのが、上体を右に向けたまま残しておくということです。そうすることで、深いねん転が生まれます。下半身だけをアドレスの位置に戻すイメージで行いましょう。
レッスン③ 上体は両腕の三角形をキープするだけ
腕はずっと体の正面
腕はずっと体の正面
スウィング中に腕が体の正面から外れると、軌道が狂って正しいインサイドインになりません。構えたときの三角形を崩さないイメージで、腕を正面に保ったまま振りましょう。クラブを寝かさないことが正しくインサイドインに振るための絶対条件です。
スライスに悩むアマチュアゴルファーでも、実はアウトサイドインに振っているのではなく、“間違ったインサイドイン“に振っていることが原因であることも少なくありません。今回藤田プロがレッスンしてくれた「正しい下半身の動き」を参考に、正しいインサイドインのスウィングを手に入れましょう。
写真/有原裕晶
※月刊ゴルフダイジェスト2016年2月号より