日本のグリーンの約70%が“ペンクロス”と呼ばれるベント芝だということを皆さんはご存知ですか?
ペンクロスは約60年前に誕生し、最大の特徴は日本の暑さに耐えることができるベント芝だということ。病気にも強く、1年中いつでもいい状態のグリーンを作ることができるのです。シェア2位は「L-93」という芝で、これは高速グリーンを造るのに適しています。
ペンクロス
春と秋は1日に1mmも伸びる
ペンクロスでは高速グリーンを造ることができないのかというと、そうではありません。気温が下がり始めたこの時季(秋)は、芝が一番成長します。刈っても、すぐに成長するため、かなり短く刈られているのです。そのためグリーンも速くなります。
この時季のグリーンは、順目と逆目、上り下り、フックスライスを読んでも、グリーンが速いためにいつも以上にオーバーしたり曲がったりで、どれくらい打てばいいか分からなくなってしまいます。
「ペンクロスの場合、芝目がありますが、パットで芝目のことまで考えてしまうとイメージが出せず、タッチがどんどん狂ってきます。いろいろ考えだすと、自ら余計な動きを入れて打ってしまいますから結局入らないんです」。そう話すのは、谷口拓也プロ。
![画像: 谷口拓也プロ ツアー通算2勝 自らの視点、言葉でアマチュアにもわかりやすく理論を伝えてくれる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2016/09/27/509304ed747e9d188d757fb97178066f83cb5de4_xlarge.jpg)
谷口拓也プロ
ツアー通算2勝
自らの視点、言葉でアマチュアにもわかりやすく理論を伝えてくれる
そこで今回は谷口プロに、この時季の速いグリーンにも惑わされない「基本ストローク」をレッスンしてもらいましょう。
![画像: この時季のパットは大オーバーの可能性もある](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2016/09/27/0275e7cd2609a49d00035aaf6c471dca2016cd78_xlarge.jpg)
この時季のパットは大オーバーの可能性もある
イメージが壊れると“手”が悪さを始める
惑わされないポイント① グリップエンドを支点に肩でストロークする
中尺パターを持つように構える
まずはその距離に合った一定のストロークを身につけることが大事です。中尺パターのようにお腹にグリップエンドをつけてストロークするイメージを持ちましょう。振り子のように打つことができるので、体のブレが少ない安定したストロークになります。
惑わされないポイント② ヘッドではなく、シャフトの動きを意識する
ヘッドを意識しすぎると、力が入りすぎて安定したストロークができなくなります。
動きが全部自分で見えるため、力が入る
一定のストロークを行うために、注意すべきはシャフトの動き。ここを意識することで自然でスムーズな動きになります。シャフトの動きを真っすぐにするためには、アドレスの角度にそって板をセットし、それを擦るようにストロークする練習が最適です。
また当然のことながら、インパクトでは、スクェアフェースでボールをとらえましょう。
スクェアにボールをとらえると順回転でキレイに転がる
惑わされないポイント③ 振り幅は左右対称
テークバックした分だけ
フォローを出す
速いグリーンだと、手でタッチを調整してしまいがちです。そうなると、バックスウィングとフォローの振り幅が変わってしまいパッティングリズムも悪くなってしまいます。振り幅はあくまで左右対称。コツは、フォローのイメージを先に作り、そこから逆算して振り幅を作ることです。
フォローから考えるとイメージしやすい
まずは基本のストロークを身につけること!芝目を考えるのはそれからでも遅くはありません。
※月刊ゴルフダイジェスト2014年10月号より