どちらも46インチを超える長尺ドライバー
特筆すべきは、両方とも46インチ超の純正シャフトを装着していることだ。特に「S-9.5」の方は、47インチとシャフトが大変長い。理論値的には、シャフトを1インチ伸ばすと、ヘッドスピードが約1m/s上がる、と言われているだけに飛距離には期待!
今まで「長尺」を使わなかった人にこそオススメ!「RED ドライバー」
まずが、「RED ドライバー」から試打。「飛ぶけど曲がる」として敬遠されていた方にはうれしい。最近はミスにも強くなって、楽に振っても飛ばせる長尺ドライバーが多く出現してきた。さて、この「RED ドライバー」はどうか、まずは顔からチェック。
構えやすい「丸顔」で投影面積は大きく、安心感のある形状だ。というのも、長尺ドライバーともなると、体とボールの距離が若干ではあるが遠くなる。そのため小ぶりなヘッドだとどうしても「あたるのだろうか」と不安になりがちだが、その心配は必要ない。
最近のプロギアのドライバーは、特許技術の「Wクラウン」と呼ばれるフェース面とクラウンのつながり部分の角度を大きくしている点が特徴だが、その部分もアドレスでは、全く気にならない。
打ってみると高反発特有の弾き感を感じた。以前プロギアの「RSシリーズ」を試打したときにも感じた初速の速さをこのクラブからも感じる。インパクトした瞬間にはすでに、ボールが遠くへ飛んで行っているような感覚だ。
そして、ヒットした時に感じるのは、「素材の薄さ」だ。これは、ヘッドが軽く仕上げられているためだろう。ぶ厚いインパクトというよりは、薄く仕上げられたヘッド全体で弾き返しているという印象だ。反発力を最優先にした作り手の狙いが垣間見える。
弾道はドロー。スライスしたかなと思っても、右から軽いドローで返ってきてくれる。“つかまり”は申し分なしだ。球の高さも十分だし、なにより飛んでいる。
何発か打っているうちに、このクラブが長尺であることを忘れていた。普通のドライバーと遜色がないくらい振りやすい。これなら普段、一般的とされる45インチくらいのドライバーを使っている人でも十分使いこなせるだろう。今まで長尺を使ってこなかった人にこそ、オススメのクラブだ。
長尺使いがより恩恵を受けることができる「RED S-9.5」
続いて「S-9.5」。こちらは、名前にもあるようにロフトが9.5度。先ほどの「RED」よりも1度ロフトが立ったモデルだ。では顔からチェックだ。
ロフトは9.5度だが、構えてみるとフェース面が見えて、「RED」同様に大きくて安心感がある。ただ、「RED」は丸顔だったのに対して、この「RED S-9.5」は、若干ではあるが三角形に近い形状だ。芯の真後ろにヘッドの頂点がある形状だから構えやすい。
もうひとつ特徴的なのが、フェース面の色だ。「RED」に比べて、こちらのフェースは黒くなっている。これにより、ボールを置いたときの白と黒のコントラストで、より構えやすさを演出してくれるというわけだ。では、打ってみよう。
「バシッ」という爽快感溢れる打音。やはり「RED」よりも長いだけあって、芯に当てるためには「慣れ」が必要かもしれない。ただ、ジャストミートしたときの飛びは「RED」を凌ぐ。インパクトした瞬間に、一気に球が頂点まで飛んでいく、凄まじいボール初速だ。
460ccと大きなヘッドではあるが、重心距離がそこまで長く設定されていない。そのため、ヒール寄り、トウ寄りにヒットしてしまったときでも、ギア効果がしっかり働いて、球のバラつきは少ない。長尺シャフトとの相性がバッチリなヘッドというわけだ。
この「S-9.5」、ソールのウェートが「RED」よりも後方に配置されている。そのためロフトが9.5度と「RED」より立ってはいるが、インパクトでロフトが寝る方向に動きやすいために、球は同じくらい上がってくれる。
さっきの「RED」は、初めて長尺を使う人にオススメしたが、この「S-9.5」は、普段長尺を使っている人にオススメしたい。というのも、47インチのシャフトを振りこなすことはそう簡単なことではないからだ。ただし、振り切れたときの長尺の“恩恵”はこのクラブの方が大きい。さらなる“飛び”を求める人はぜひお試しあれ。