トップ選手の「マレット化」が進んでいる
松山英樹が優勝争いを演じ、日本でテレビ中継もされたことから注目度も高かったPGAツアー2016-2017シーズン開幕2戦目の「CIMBクラシック」。激闘を制し、大会2連覇を達成したジャスティン・トーマスの手には、スコッティ・キャメロンの「フューチュラX5プロトタイプ」が握られていた。
「フューチュラX5は2014年のモデルで、名器の誉れ高いオデッセイの#7(ナンバーセブン)を思わせる形状、俗に言う“ツノパター”です。私もこのタイプのパターを所有していますが、ミスヒットに強く、直進性が高いのが魅力ですね」
と語るのはクラブライターの児山和弘氏。児山氏によれば、最近のPGAツアーには明らかに「マレットブーム」が来ているという。
「一昔前まで、マレット、特に大型マレットを使うプレーヤーは、アダム・スコットとジェイソン・デイくらいでした。それが、昨シーズンあたりから変化してきた印象です。2016年の5月には松山英樹プロが大型マレットである『スコッティ・キャメロン コンビ』を使用して話題になりましたし、シーズン終盤にはダスティン・ジョンソンがデイと同じ『スパイダーリミテッド』で勝利を収めています」(児山氏)
現代ドライバーにマッチするのは大型マレットなのか
そういえば、ローリー・マキロイもパターをスコッティ・キャメロンの「M1マレット」にチェンジした瞬間にパッティングが絶好調となり、プレーオフで2勝を挙げて年間王者に輝いたのも記憶に新しい。
なぜここに来てマレットブームが起きているのか? 児山氏はこう分析する。
「あくまでも仮説ですが、重心距離が長く、ヘッドの動きにくさを表す慣性モーメントの数値が大きい最近の大型ヘッドドライバーと大型マレットが、似たようなフィーリングで扱える、ということが挙げられるかもしれません。また、上に挙げた大型マレット使用者が軒並み飛ばし屋であることとも、何か関係がある可能性もあります。ただ、これだけ結果が出ていると、今後大型マレットを使う選手がさらに増えることは想像に難くありませんね」
PGAツアーでの大型マレットブームは今後さらに加速していくのか? 注目していきたい。