2016年の世界ゴルフ選手権HSBCチャンピオンズで、松山英樹が2位に7打差をつけて23アンダーで米ツアー3勝目を挙げた。WGC制覇は日本人として初、米ツアー3勝目は丸山茂樹に並んだ。方向性と距離感が抜群だったアイアンショットをプロゴルファーの資格を持つ「みんなのゴルフダイジェスト」編集部員の中村修が解説します。

ボール・頭・手元の「3ポイント」が完璧にセットされたアドレス

ボールの位置はスタンスの真ん中よりもやや左。頭の位置はボールよりも右側にあって、手元は左ももの内側。この3点はアイアンを打つ上で非常に重要なポイント。このように構えられると、左腕とクラブが一直線となり、両わきが軽く締まりって、腕が余計な動きをしないようになります。みなさんにも是非見習ってほしいアドレスです。

画像: ボールの位置、手元の位置、頭の位置の3ポイントに注目だ

ボールの位置、手元の位置、頭の位置の3ポイントに注目だ

手で上げていない証拠。バックスウィングで右腕が左腕より上にある

右足、右の股関節に始動からしっかり体重が乗って、ずれない安定感があります。アドレスで作った右腕と左腕の位置関係をキープしながら丁寧にバックスウィングしているため、右腕が左腕よりも上にあります。始動でクラブをインサイドに引きすぎたり、腕の動きでバックスウィングしてしまうと、反対に左腕が右腕より上にきてしまうので、ぜひチェックしてみてください。

画像: 右腕が左腕よりも上にある。これが手でクラブを上げていない証拠

右腕が左腕よりも上にある。これが手でクラブを上げていない証拠

右ひじが見えないトップ

正面から見て右のひじが見えていません。これは、アドレスで作った前傾角がキープされたままトップまで体がねじられていることを表わしています。トップで右ひじが左腕の下に見える場合は上半身の回転量よりも腕の動きが多く、手打ちになっている可能性があります。松山英樹の場合、下半身がしっかり粘り、上半身と腕の動く量が非常にマッチしていて無駄な動きがまったく見られません。

画像: 右ひじが見えないトップ

「タメない」ダウンスウィング

ショートアイアンでは、上級者になればなるほど入射角が鋭角になってダウンブローになる傾向にあります。松山英樹の場合、トップで作った手首の角度(タメ)が深くならずに、手元が体から遠くて入射角が浅く下りてくるところが大きな特徴です。セルヒオ・ガルシアなど入射角が浅い選手はほかにもいますが、これだけタメない選手は珍しいと言えます。

タメないと何がいいのか。タメない分だけ入射角が浅くなり、入射角が浅く入ると、フェースの上下の打点が安定します。そうなると、スピン量や球の高さがつねに一定になり、距離感や風の影響も計算できる精度の高いショットを生みます。松山が無敵のパーフェクトアイアンマンとなる最大の要因だと言えますね。

画像: 手首とクラブの角度に注目。バックスウィング時とほぼ同じ=タメを作っていない

手首とクラブの角度に注目。バックスウィング時とほぼ同じ=タメを作っていない

まるで30ヤードのアプローチをしているかのようなインパクト

左腕とクラブが一直線で、左手の甲がターゲットを向くことでフェースの向きをキープされています。正確な方向性を実現する低く長いインパクトゾーンで、フェースターンもゆっくりです。まるで30ヤードくらいのアプローチをしているようなインパクトですが、距離も出せるところが松山英樹の強みですね。

画像: ターフがほぼまったくとれていない点に注目。入射角が浅い証拠だ

ターフがほぼまったくとれていない点に注目。入射角が浅い証拠だ

短距離選手のようなしなやかさを感じる大きなフォロー

日本オープンで見た松山英樹は体が一回り大きくなったように感じましたが、このフォローを見ると、硬い筋肉ではなく短距離選手のような柔軟性のあるしなやかな筋肉を増やすことに成功していますね。インパクトを強く打つのではなく回転のスピードで飛距離を稼いでいることを表わしています。

画像: 浅い入射角により打点を安定させ、体の回転のスピードにより飛距離を出す

浅い入射角により打点を安定させ、体の回転のスピードにより飛距離を出す

右手のグリップに注目したいフィニッシュ

フィニッシュでは左足の上に重心が移動していて、手元も頭から遠い大きなフィニッシュです。注目したいのは、右手のグリップです。アドレスで作った右手のグリップよりも少し深く握っています。これは、スウィング中に右手の指先の力が抜けていることを表わしています。インターロッキングで握り、右手の指先の力を抜くことで、叩くのではなくスウィングのスピードで飛距離と方向性を両立しているといえます。

画像: 手元が頭から遠い。アプローチのような印象ながら、フィニッシュはダイナミック

手元が頭から遠い。アプローチのような印象ながら、フィニッシュはダイナミック

「頭」だけに注目してみてみよう

バックスウィングでは少し右に重心を移動し切り返しで左に踏み込んで、重心の移動に合わせて頭も少し移動しています。振り子の中心を移動することで始動し、ダウンスウィングでは振り子の中心を止めることで振り子の先が大きく動くように効率よくスウィングしています。

……と言ってもよく分からないでしょうか。ならばぜひ、連続写真で松山の「頭」だけに注目してみてください。まず始動で頭の位置がほんのわずかに右(画面左)に動きます。これが右への重心移動を表します。続いてトップから切り返しでは頭は大きく左へ。左にしっかりと重心移動しているのがこれでわかると思います。そして、ダウンではピン止めしたかのように、頭はまったく動きません。

みなさんも、ぜひこのイメージでショットしてみてはいかがでしょうか。

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