「前作を明らかに上回ることができなかったから」5年間モデルチェンジなし!
リョーマといえば「RYOMA D1」ドライバーが試打会や口コミから火がついて大ヒットとなって以来、高品質なクラブ作りに定評のあるクラブメーカー。ドライバーの印象が強いが、それもそのはず、今回のフェアウェイウッドは5年ぶりのモデルチェンジだという。
なぜモデルチェンジに5年もかかったのか。その理由は「前作の性能を明らかに上回ることができなかったから」とのこと。つまり今回の新モデルは「前作の性能を明らかに上回った」ということでもある。そんな自信作なら是非とも打ちたいというものだ。
ボールが前へ前へと飛んでいく
まずは5番ウッドを試打。まず感じるのは弾くけれども芯を感じる打感の良さ。フルチタンボディだけにパチンと弾くような打感かと思いきや、柔らかさも感じられる。ボールは前に前に飛んでいく低スピンの「棒球」。飛距離性能はかなり高そうだ。
驚かされるのは、トウ側に外した場合に、ミスの幅を少なくしてくれるどころかドロー回転がかかって一見するとナイスショットに見えてしまうような弾道にしてくれたところ。
「つねに芯の一点で打てるんであれば、きっとどのクラブを使ってもいいんだと思うんです。でも、本当に芯を食ったナイスショットなんて、ワンラウンドに一回くらいじゃないですか(笑)。だから、芯を外しても結果が変わらないクラブが必要なんです」(開発者の谷本俊雄社長)
その性能は3番ウッドでも顕著に表れており、左右のオフセンターヒットへの強さは特筆に価する。ロフト15度の3番ウッドはヘッドスピード40m/sと一般男性の超・平均的数字を誇るギア担当が打っても十分にボールが上がってくれた(7番ウッドは未試打)。
驚異の「125グラムのフリーウェイト」がやさしさを生んだ
なんでも、ボディを鍛造フルチタンにすることで極薄化し、それで得られた125グラム(信じられない数字だ)ものフリーウェイトをボディの前後に大胆に配置することで初速を上げ、スピンを減らし、スウィートエリアを拡大しているという。
たしかに曲がらない。たしかに飛ぶ。打感の良さ、シャフトの振りやすさも印象的だ。開発費に糸目をつけず、納得いくまで市場に出さない。社長=開発者であるからこその異様なまでの商品開発への熱意が、今回もカタチになっていると感じた。
「RYOMA F」は2016年11月29日発売。オープン価格だが、店頭予想売価はシルバーが6万3000円、ブラックが6万5000円となっている。一般的なクラブよりも高額。だが、その価値は十分にありそうだ。