肩・腕・つま先まで一直線のアドレス
非常にバランスよく立てています。肩・腕・手元・つま先が一直線になっているのがわかるでしょうか。腕を自然と下げた位置で構えると、いつも同じ位置に構えやすいメリットがあります。
次に、お尻のラインとかかとのラインの「幅」を見てください。この幅が少ないとつま先よりの重心となり、広いとかかと寄りの重心となります。みなさんも壁にお尻をつけて構えた時の、かかととの幅をチェックしてみてください。スマートフォン1台分くらいの「幅」が基準です。
三角形を崩さないバックスウィング
ここで見てほしいのは「右手首の角度」です。アドレスで作ったクラブと腕で作る角度をキープしたまま始動しているのがわかります。始動から丁寧にあげるこの動きこそ、フェースの向きをコントロールすることにつながっています。
右手首の角度をキープすれば、自然と右わきが締まる
ここでもポイントはやはり右手首です。右手首の角度をキープしたままトップまで向かうことで、右わきが内側に絞られるように締まり、ゆるみのないトップになっています。右股関節、右ひざにもゆるみがなくバックスウィングのエネルギーを下半身でしっかり受け止めています。
懐の広いダウンスウィング
ダウンでは右の肩に注目してみてください。切り返しで力むと右の肩が上がり前に出てアウトサイドインの軌道になります。アマチュアの方は、このように切り返しで「いかり肩」になるケースが多いので、注意が必要です。松山選手の場合、そのような動きがなく、スッと下に降りてきています。その結果、上体が開かず、手元をアドレスの位置に戻す準備ができています。
手元がアドレスの位置に戻るインパクト
右手首の角度がキープされた結果、インパクトで手元がアドレスの位置に戻るっているのがわかるでしょうか。アドレスの位置に戻るということは、インパクトの手元の位置が低いということ。その結果、トウダウン(フェースのトウ側が下に下がる動き)が少なく、入射角がゆるやかになります。そのことが打点の正確さを生み、ボールの高さとスピン量を一定にしています。縦の距離感を合わせるためには、安定した入射角とフェースの打点は重要です。
左に振りぬくフォロー
ダウンからフォローにかけての写真を3枚並べてみました。3枚目、フォローの位置で手元が体に隠れているところに注目してみてください。手元もクラブの見えないのは、クラブが体の正面にキープされている証拠です。インサイドから下りてきたクラブが、インパクトゾーンでストレートな軌道を描き、フォローで再びインサイドの軌道を描いていることがよくわかります。体の回転に沿って、クラブが美しい弧を描いています。
引っかけないハイフィニッシュ
写真左の右手首をぜひ見てください。ここまで右手首の角度がキープされているのがよくわかると想います。右手首の角度を保ったまま、体の回転を止めずにフィニッシュまで振りぬくので、強く振っても左に引っかけることなく、正確なボールコントロールが可能になります。
アドレスから始動を参考にしたい
尋常ではない量のトレーニングが作り上げる松山選手のスウィングは、プロであっても簡単に真似できませんが、一方でアドレスの立ち方から始動の部分ならアマチュアゴルファーでも真似することは可能です。前後の重心の位置をチェックすること、始動でクラブと腕が作る角度をキープしながら上げる丁寧な動きは、ぜひ参考にしてみて下さい。