右手首の角度をキープできる「キャロッシー」
「力を『入れる』のではなく、力を『出す』。中心の軸を回すことで力が外方向に伝わる竹トンボのように、体幹を軸とした回転で打つ。そうすれば、力を外方向に『出す』ことができます」と前回語ってくれたレッスン歴30年の長井薫さん。今回は、その「力を出す」ということに関して、もう少し詳しく聞いてみよう。
「スウィング中にクラブと手首で作る角度をキープする事が大事なんです。手首の角度をキープすることで、入射角が安定しミート率が上がります。ヘッドを上げて水平に構えた素振りをするとその感覚を感じやすくなります。クラブヘッドが下がらないように、ゆっくり素振りしてみて下さい」
なるほど、手首の角度をキープすることは、松山英樹も重視するスウィングの一大事。これには大いに納得がいく。長井さんによれば「この手首の角度をキープする感覚をつかむのに有効な練習器具が『キャロッシー』です」とのこと。ん? ちょっと待って、キャロッシーってなんですか?
「こちらです。右手をこの中に通して素振りをするのですが、右手首の角度が固定されるので正しい感覚が理解できるんです」というわけで自作のレッスン器具のことであった。長井さんが持つ黒い部分を持って、振る。
実際に装着して振った感じがこちら。
ムムっ! 確かに右手首の角度がキープされて、ハンドファーストで当たるインパクトになっている。う~ん、これはやってみたいと思わせる何かがある!
「この『キャロッシー』は他にも使い方があって、装着の仕方で投げる動作やフェース面を意識したりといろいろ役に立つんですよ」
「このように、器具を反対側から持てば腕の内側の筋肉を使う感覚が養えます」
「グリップ部分を握って振れば、フェースの使い方を身につけられます」
「キャロッシーを装着して投球動作をすることで、正しいひじの使い方を理解することもできます」
す、すごいぞキャロッシー! キャロッシーもすごいけど、このような練習器具を生み出してしまう長井さんのアイデアマンっぷりもすごい。まだまだ興味深い練習器具が目につくが、ひとまずまとめてもらおう。長井さんの理論、一言でいえば?
「3つの原理から成り立っていますが、ひとつ目の原理がわかれば後はシンプルです。スウィングはコンパスで円を描くように背骨を軸にした回転運動なんです。軸を中心に回転することでスウィングプレーンが一定になりミート率もよくなります」
数多くのアマチュアを導いてきた長井さんのレッスンは、「感覚」に訴える楽しいレッスンだった。実際に前回紹介した魔法のホースを振ってみたり、キャロッシーを装着してスウィングしてみたところ、なんか上手くなっちゃってる感じ。
ぜひみなさんも、新宿インドアゴルフへ「レッスン散歩」してみてくださいね!