天候不良のため3日間54ホールに短縮された2016年の「カシオワールドオープン」は、3日目終了時点で単独トップの池田勇太が今季3勝目を挙げた。賞金王争いに王手をかけた池田のスウィングを、プロ資格を持つ「みんなのゴルフダイジェスト」編集部員中村修の解説でお届けします。
背中から腰までが一直線。前傾をキープしやすいアドレス
背中から腰までが一直線になるニュートラルなポジションで構えているのが特徴です。アマチュアには、腰が反ったアドレスを取る人が多くいますが、このように無理なく構えると、スウィング中に前傾角をキープしやすくなります。
絶対にシャフトは寝かさない。胸の正面にクラブをキープして上げる
彼のスウィングの大きな特徴と言えるのが、ヘッドをインサイドには引かずにクラブを立てながら上げるバックスウィングです。胸の正面にクラブをキープしてクラブを寝かさないという意思が感じられます。
タテに上げたクラブがオンプレーンに! 池田にしかできない“間”
クラブを立ててあげるアップライトなトップから、ダウンスウィングに入るこの”間”の取り方が秀逸です。寸分たがわずプレーンに乗せてからダウンスウィングに入るので、再現性が高い。しかし、池田勇太にしかできない独特の”間”の取り方になっています。
下半身リードの証拠。ポロシャツのしわに注目!
ポロシャツのしわに注目してみましょう。アドレスの形に戻っている下半身に対して、ベルトから上の上半身は下半身に引っ張られるようにねじり戻されています。下半身のリードで巻き戻されている証拠です。
上半身が開かないインパクト
下半身の回転量に対して両肩を結ぶラインは飛球線とほぼ平行。開かない左肩、突っ込まない右肩が理想的です。下半身のリードで回転していく中で、前傾した背骨の角度がアドレス時から変わらないので、スウィングの懐が広いのも素晴らしい点です。
「入り口と出口」がつねに一定なのをぜひ真似したい
入口(ダウンスウィング)と出口(フォロー)が一つの面からまったくズレない。前傾角をキープしたまま回転で振り抜かれている証拠です。クラブが一枚の面の上を滑るようインサイド・インの軌道を描いているということ。
ちなみに、持ち球が極端なスライスやフックの人は入口と出口のシャフトの傾きをイメージしてみるだけでも、症状が改善される可能性がありますよ。
振りぬき抜群のフィニッシュ
フォローからフィニッシュにかけて回転につられて前傾角が起き上がります。体に負担の少ないフィニッシュです。フィニッシュでバランスよく立てない人は、インパクト重視ではなく振りぬき重視で振るとバランスよく立てて軌道も安定します。
プッシュアウトに悩んでる人、立てて上げるバックスウィング真似しよう!
インサイドアウト軌道が強く、プッシュアウトに悩む人は、クラブを立ててあげてダウンスウィングでプレーンに乗せる池田勇太のスウィングを真似してみてください。ポイントはバックスウィングで両肩のラインを縦に使うように動かすこと。そうすると、自然とクラブが立つはずですよ。