日本未発売。「ビッグバーサ フュージョン」の3Wをチョイス
テーラーメイドの「RBZステージ2」の3Wを使っていた松山だが、ドライバーをダンロップの「スリクソン ZR-30」からキャロウェイの「グレートビッグバーサ」にチェンジしたのに続き、3Wもキャロウェイにチェンジ。モデルは日本未発売の「ビッグバーサ フュージョン」だ。
この「ビッグバーサ フュージョン」、一体いかなるクラブなのか、残念ながら3Wは手に入らなかったので5Wを試打してみた。
構えてみると、”おにぎり”のような独特の形状が特徴。素材はカーボンのクラウンとステンレスボディのコンポジット。ウェートがソール後方に搭載されているので、球が上がりやすくスウィートスポットも広いように見える。重心が深く、長く、ミスヒットに強いいわゆるひとつの“やさしい”クラブだ。
松山が選んだのは「ボールが上がりやすいやさしいクラブ」だった
松山が以前使っていたRBZステージ2は重心が浅く、短く、コントロール性に優れたモデル。それと比べるとまったく正反対の特性を持つクラブのようだが、プロゴルファー記者・中村修による試打結果はどうだっただろう。
「高弾道で飛ばせるやさしいクラブですね。打ち出し角が高く、キレイな放物線を描いてボールが飛んでくれて、飛距離も申し分ありません。一言でいえば、球が上がりやすく、やさしく飛ばせるクラブ。低スピンの強い球が打てるRBZ2とは正反対のクラブと言えます。アマチュアゴルファーでも全く問題なく使えるクラブですね」(中村)
ドライバーとの「つながり」を重視した⁉︎
試打した印象は「アマチュアでも使えるやさしいクラブ」。では、なぜ世界のトッププレーヤーである松山が選んだのだろうか?
「それは、現在使っているドライバーとの関係にあると思います。10月末のPGAツアー『CIMBクラシック』からキャロウェイのグレートビッグバーサを使っているようですが、それまで使っていたスリクソンのZR-30と比べると、重心距離が大きく異なります。ZR-30は重心距離が短く操作性に優れているので球を曲げやすいドライバー。それに対してグレートビッグバーサは重心距離が長く、直進性の高さが特徴のドライバーです。重心距離長めのドライバーがマッチしたことで、3Wも同じようなフィーリングで打てるクラブを探したところ、このフュージョンがハマったということではないでしょうか」(同・中村)
あくまでドライバーが先にあり、それと合うクラブとして3Wを選んだのではないかと推理。なるほど、たしかにドライバーも3Wも、「キャロウェイの、アマチュア向けモデル」という点で一致している。それならフィーリングが合うのも自然だ。
ドライバーと3Wの振り心地を揃える。世界ランク6位の松山英樹のクラブ選びを参考に、みなさんも自分のスウィングに合ったクラブ選びをしてみるといいかもしれない。