大手町から朝8時にスタートする第1区は「鶴見中継所」までの21.3キロを約1時間で駆け抜ける。区間賞は2007年(83回)「1時間01分06秒」東海大の佐藤悠基。この周辺は、さすがに都心を走るので近隣にコースは見当たらない。二区以降、ランナーたちは“ゴルフゾーン”に突入していく。
エースが集まる花の2区にふたつの名門コースあり
戸塚中継所までの23.1キロは「花の2区」と呼ばれ、85回大会で22位から2位へ20人のごぼう抜きをしたギタウ・ダニエル(日本大学)など、各校のエースが登場する区間だ。区間賞は1時間06分04秒メクボ・ジョブ・モグス(山梨学院大)。鶴見中継所から国道1号線を15キロほど過ぎると、近隣に横浜CCと戸塚CCが確認できる。
横浜CCは1958年に設立され、開催されたトーナメント開催は数知れず。2018年には日本オープンが開催される。
お隣の戸塚CCも同じく1958年に設立され、2005年の日本女子オープンでは宮里藍(当時20歳)が最年少記録で2位に5打差をつけて優勝。まだ記憶に新しい「藍ちゃんフィーバー」の象徴となったのがこの試合だ。
平塚中継所までの3区はシーサイドコースを横目に走る
海岸沿いを走る3区は平地では一番距離の短い21.4キロ。海風の影響を受ける区間で各校とも力のある選手をそろえている。区間賞は88回大会の1時間01分38秒 オンディバ・コスマス(山梨学院大)
この区間には2つのシーサイドコース、茅ヶ崎GCと湘南シーサイドCCがある。茅ヶ崎GCは9ホールのパー35だが、名設計家・上田治が手がけた名コース。
湘南シーサイドCCはフラットで年間を通じて温暖で回りやすい。南国ムード漂うヤシと松が趣きのある18ホールだ。
小田原中継所までの4区に富士山を望む名コースあり
4区は20.9㎞。大磯から小田原まで相模湾を左手に見ながら海沿いを走る。向かい風になることも多く往路最後の5区にいい流れでつなぎたい区間だ。区間賞は91回大会の54分28秒、田村和希(青山学院)。
近隣コースは富士山を見ながらプレーできるレイクウッドGCと平塚富士見CC、どちらもコース整備が評判の36ホール。
もうひとつ、2月に開催される「ショートコース選手権ダブルス」神奈川B予選の会場になっている大磯GCも見逃せない。まるで本コースのパー3を集めたような9ホールで、すぐ横を走る選手が見えるホールもある。
「山の神」が勝敗を分ける5区はコースもアップダウンあり⁉︎
標高874mまでの上りを16キロ、その後19キロ過ぎまで下る合計20.8キロ。上りが長いためにここでの巻き返しも可能な区間。この区間で激走し、トップとの差を詰めたりごぼう抜きしたりと名を残した3名がいた。2005年に登場した元祖”山の神”今井正人(順天堂大)、2代目は2009年~12年4年連続区間賞の柏原竜二(東洋大)、そして3代目は2015年に登場した神野大地(青山学院大)だ。2017年はどんなドラマを見せてくれるのだろうか。
箱根には数多くのコースがあるが、駅伝コースに近く、かつ歴史あるコースということで1917年にパブリックコースとしてオープンし、100周年を迎える「富士屋ホテル仙石GC」で、ゴルフと駅伝、それぞの歴史に思いを馳せるのも一興だ。
お節を食べながら箱根駅伝を観ていると、空撮の映像に映ったゴルフコースを思わず「これってどこのゴルフ場だっけ?」と思ってしまうのがゴルファー。たまには「大手町スタート」で、箱根駅伝のコースを辿りながら箱根のゴルフ場に向かう、なんてどうでしょう?