1984年にドラフト3位で日本ハムに入団し、翌85年から3年連続開幕投手を務めたピッチャー、津野浩を覚えている野球ファンは多いだろう。97年に現役引退しゴルフの世界に飛び込んだ津野は、現在プロ資格を取得し、横浜スポーツマンクラブでプロゴルファーとしてレッスンをしている。元プロ野球選手でプロゴルファー、どんなレッスンをしているのだろうか?

右手の使い方はピッチングと同じなんです

「ゴルフと野球には共通点があるんです。特にスライスに悩むアマチュアゴルファーにはピッチングの感覚を覚えてもらいます」(津野)

さすがは元プロのピッチャー。開口一番、津野は「ピッチングとゴルフのスウィングには共通点がある」と、そう言った。

「スライスに悩むゴルファーは、フェースを真っすぐにしたままインパクトしようとしている。その結果、フェースローテーションが足りない場合が多いんです。これは、野球をやったことない人がボールを投げた場合の動きとよく似ています」

多くのアマチュアゴルファーがフェースを真っすぐ動かそうとするように、野球の素人はピッチングの際、腕を真っすぐ上げて真っすぐ下ろそうとしてしまう。両者に共通するのは「腕のローテーション」がないということ。

「ピッチングの場合、腕を親指側(内側)に回しながらリリースすることが重要なんです(下の連続写真参照)。そして、この腕を親指側に回す動きは、ゴルフにおける正しい腕のローテーションの動きに極めて近い。この動きをしっかり覚えると正しいクラブのリリース、フェースローテーションを覚えることができます」

実際にボールを持ったまま、ゴルフのスウィングに当てはめてみると、なるほど! たしかに似ている。野球のピッチャーがこれだけ腕を回していたとはちょっと驚きだが、その動きはゴルフにも必須のものだったのだ。

画像: 投球動作における右腕を内側にひねる動きをスウィングに取り入れる

投球動作における右腕を内側にひねる動きをスウィングに取り入れる

しかし、右腕を内側にひねる感覚を入れてスウィングをしてみると、左に引っかけりそうに感じる人もいるはず。津野は言う。

「体を回転させずに手だけを動かしたのであれば、そう感じるのも仕方ありません。でも、実際には腕だけでなく体も回転しているので、とくにドライバーの場合はかなり思い切って腕を内側にひねる動きを取り入れて、ようやくフェースがスクェアに戻るくらいなんです」

画像: フォローで右手が左手よりも上になる。それくらいしっかりと腕を内側にひねる必要がある

フォローで右手が左手よりも上になる。それくらいしっかりと腕を内側にひねる必要がある

リリースのタイミングは「右腰の前」

となるとポイントは「いつ腕を返すか」だ。

「空気を抜いたボールを使って、実際に投げてみましょう。投げるポイント(リリースポイント)はほぼ右腰の高さあたりですね」

インパクトのはるか手前、ほぼハーフウェイダウンのあたりで腕を返すイメージでちょうどいいと津野は言う。実際にクラブを振るときも同じイメージなのだろうか? 下の連続写真を見れば一目瞭然、まさに右腰のあたりで手を返すイメージだ。

「ドライバーは一番長いクラブであるし、飛距離を出そうするために体を回す回転も速いです。そのために多くのゴルファーは体ばかりが先行してフェースが十分に返らず、スライスを打っています。大切なのは、右腰のあたりでボールを投げるように右腕を内側にひねることなんです。はじめは極端に返して、左にボールが飛び出すように練習してみるのが効果的です」

津野によれば、極端に早く手を返すことで、左に飛ばすフェースを返すタイミングと右に飛ばすタイミングの間にある「真っすぐ飛ばすタイミング」をつかみやすくなるという。そのタイミングをつかむには、もちろん練習あるのみだ。

さすがは元プロ野球の投手。野球のピッチングになぞらえたレッスンは説得力抜群だった。右腕を内側にひねるように使う動き、ぜひ試してみるとしよう!

協力/横浜スポーツマンクラブゴルフ練習場

This article is a sponsored article by
''.