その名は「シグマG」シリーズ
ピンが新たに発表したのは、ピン伝統のアンサータイプを筆頭に、L字型、マレット、大型マレットと16モデルがラインナップされた「シグマG」シリーズ。シグマは「集合体」という意味であり、Gは同社の「Gシリーズ」を表す。すなわちこのパターを持ってGシリーズが完成した、という意味合いだとか。
今回ピンが目指したのはパッテイングにおける転がりの良さ。同社の説明によれば、アマチュアゴルファーは、1.5メートル離れた場所から49パーセントしかカップインしないが、それが0.9メートルだと約83パーセント「入る」のだという。つまり、セカンドパットが1.5メートル残るか、0.9メートル残るかが2パットで収まるか否かの大問題となるわけだ。
そこで、パター自体の反発力を高めることで、ロングパットで1.5メートル残っていたところを0.9メートルまで転がるようにすれば、自ずと2パットで収まる確率が高まる、という計算。たしかに、ロングパットのさいはオーバーするよりショートするケースのほうが多い気がする。「勝手に転がってくれる」のはありがたい。
極薄フェースの裏側に、分厚い高反発ゴムを搭載した
では、どうすれば転がりをよくできるのか。秘密は「ペバックス」というエラストマー(弾力のあるゴム様の素材)がフェース面の裏に搭載されたことにあるという。ごく薄いフェース面の裏に、その4倍の厚みのあるペバックスを搭載することで、打感の柔らかさと反発を両立させているという。そこに、ミスヒットしても初速が約50パーセント安定するというフェース面のTR溝も搭載している。
実際に打ってみたが、たしかに打感はすこぶる柔らかい。その印象はまさに「硬いゴム」。ゴムの塊に金属のフェースを貼り付けてボールを打ったらこんな感じになるのだろうか。柔らかいといっても、弾性を伴う「芯のある柔らかさ」を感じられた。ただ、人工マットの上で転がしただけなので、肝心の転がりの部分はちょっとわからなかった。いずれ本グリーンでテストする機会があれば、その時にレポートしたい。
そしてなんといっても目を引くのがズラリ揃った16モデルのラインナップ。これは眺めているだけでも楽しい。ご覧いただこう。
これだけあれば、どれか1本は間違いなく自分に合うはず。「高反発パター」、打てなくてお悩みの方は、ぜひ一度手に取ってみてもらいたい。