トーマス、松山、スピースなど若手がツアーを牽引
今年に入ってから、“ヤングガン”たちの活躍が凄まじい。その筆頭が2003年のアーニー・エルス以来となるハワイ2連勝を飾ったジャスティン・トーマス(23)。13歳の頃からの親友であり同じ年のジョーダン・スピースは「彼は今、防波堤を突き破って怒涛の流れを作っている」とライバルの勢いを表現。「こうしてプロの世界でハイレベルな戦いができていることがうれしい」とモチベーションを上げている。
そのスピースもソニー・オープン・イン・ハワイで3位に入るなど順調に新シーズンをスタートさせた。さらにトーナメント・オブ・チャンピオンズでは松山英樹(24)が、トーマスに次ぐ2位に入り、目下ツアーは1990年代生まれの若手が引っ張る格好だ。
マキロイは2017年初戦は2位と健闘したが、肋骨の疲労骨折が判明
一方、これまでヤングガンを牽引してきたローリー・マキロイ(27)は南アフリカのBMW SAオープンで2017年初戦を戦っている。結果はプレーオフに敗れ2位だったが、負けてもやっぱりマキロイは千両役者だった。
大会初日のスタートホールでいきなり392ヤードのビッグドライブを披露。新しい相棒キャロウェイのエピックドライバーが火を噴き観る者の度肝を抜いた。その後もイーグルあり、あわやホールインワンありとギャラリーの視線を釘付けに。しかし試合中に発症した背中痛が悪化。「テーピングして痛み止めを飲んで戦える態勢は整えた」というが、惜しくも17年初勝利はお預け。その後受けたMRI検査で肋骨の疲労骨折が判明し、アブダビHSBCゴルフ選手権は欠場に追い込まれた。
相性の良いアブダビで勝てば世界ランク1位に返り咲くことができたのだが、絶好のチャンスをふいにしたマキロイ。そういえば彼には2015年の全英オープンの直前、友人とサッカーをしていて左足首の靭帯を損傷し、聖地セントアンドリュースで行われたメジャー大会欠場を余儀なくされた黒歴史が。その直後に世界ランク1位から陥落して以来ナンバー1には戻れていない。ちなみに現在のランクはジェイソン・デイに次ぐ2位(2017年1月20日現在)。
それでも自身にとってキャリアグランドスラムがかかるメジャー初戦のマスターズまではまだ時間がある。「100パーセント戦える状態に整えたい」という本人の言葉を信じ、しばし待つのみ。
2017年は「タイガー v.s. 若手」も見どころ
そして次週はいよいよタイガー・ウッズ(41)がジェネシスオープンで本格始動する。2015年8月のウィンダム選手権以来のツアー復帰戦はいやがおうにも盛り上がるに違いない。「とにかく今年は勝ちにこだわる」というタイガー vs. 勢いのあるヤングガンたちの対決は見逃せない戦いになりそう。
アブダビHSBCゴルフ選手権をケガで欠場したが、“ネクスト・タイガー”と呼ばれ続けてきたマキロイも、早く戦いの舞台に戻ってきてもらいたい。