メリット、デメリットを把握しておこう
ディスタンス系とスピン系とは、それぞれどのようなボールなのだろうか。一般的に、ディスタンス系ボールとスピン系ボールを分かつのは、カバーの素材。スピン系ボールは別名「ウレタンボール」と呼ばれ、カバーに多くの場合ウレタン素材が使われる。対して、ディスタンス系ボールはアイオノマーカバーのものが多い。
ウレタンカバーはアイオノマーカバーよりもスピンが多くなる。そのため、スピン系ボールはグリーン周りのアプローチでしっかりとスピンがかかるわけだ。反対に、アイオノマーカバーはスピンが少ないわけだから、高打ち出し低スピンの飛ぶ弾道になりやすい。そのため、ショートアイアンでも高打ち出し・低スピンになり、飛ばせる。
また、ディスタンス系ボールはスピン系ボールに比べてコアが軟らかい。そのため、ヘッドスピードの高くない人でもコアをしっかりと潰すことができる。ボールが潰れるとその分スピンが減るため、ドライバーでもスピンが少なくなり、これも飛距離アップの可能性が上がるわけだ。サイドスピンの量も減るため「曲がりにくい」というメリットもある。コーチによっては「曲がる人は絶対、ディスタンス系を選ぶべき」という人もいる。
プロはほぼ100パーセント、スピン系ボールを使う。トーナメントの硬いグリーンに止め、寄せるためにはスピン系ボールが必須だからだ。かのタイガー・ウッズは、「スピンはいくらかかってもいい」という趣旨の発言を過去にしているという。また、カバーがソフトなため、必然的にショートゲームでの打感の軟らかさも魅力となる。これも、スピン系ボールならではの良さだ。
しかし、アマチュアにとっては、ドライバーが曲がらずに飛びやすいというディスタンス系ボールのメリットは捨てがたい。アプローチでのスピンはかかりにくいが、転がしに徹すればそれも問題ないといえば問題ない。