スピースが一喝!「仕事をしろ!」
23歳にしてメジャー2勝を誇るスピースがひと悶着起こしたと聞いて驚いた。普段はスポーツ系男子というより、理系の“まじめ君”のような雰囲気を漂わせる彼が、ある一部の人々に「仕事をしろ! 人のフンドシで相撲を取るな!」と声を荒げたのだ。
もちろん本人がフンドシという単語を使ったわけではない。トーナメント会場を渡り歩き、転売目的の“サインハンター”たちの振る舞いが我慢ならず吠えたのだ。
スピースの逆鱗に触れた悪質な行為
AP通信によると騒動が起きたのはAT&Tペブルビーチプロアマの会場。サインを求め群がるハンターからの要望をスピースが断固拒否して歩き去ったのだ。
「僕だって普段は喜んでサインをするよ。会場に足を運んでくれたファンや、特に子供たちには。でも大の大人が他人の努力をかすめ取るような真似をする行為が許せない。実際自分のサインがネットで売られているのを知っているからね」(スピース、以下同)
「そろそろ対策を考えなければ」という彼の逆鱗に触れたのはこんな場面。ひとりのハンターが並んでいた子供たちを押しのけ、色紙を差し出したのだ。「待ってくれよ。子供たちがいるだろ。信じられない」と切り捨てた。するとスピースに「おい、タイガーでもないのにその態度かよ」の罵声が飛んだのだ。
売り言葉に買い言葉。「あぁ、もちろん僕はタイガーじゃないさ。難癖をつけられるのも耳障りだが、自分が発した言葉にも嫌気がさす。そんなこと言わせないでくれよ」
宮里藍も巻き込まれたサイン転売問題
この問題は今に始まったことではない。10年以上前に宮里藍が米女子ツアーに本格参戦を始めた頃もサインハンターは存在した。渡米したばかりの彼女は素直に彼らをファンと思いサービスしていたが、やがて素性を知り対応に苦慮していた。
他のプロたちも口にこそ出さないがハンターたちの振り舞いには辟易している。以前は選手が好意でプレゼントしたウェアをたいそうな値段でネットオークションに出品する輩までいた。スピースは他のプロたちの声を代弁したのだ。しかしどんなにひとりのプロが抵抗してもハンターの存在はなくならないだろう。それでも彼の言動は現状に一石を投じたはずだ。