まずはシャフトを倒した時の音に注目
なぜパターなのにカーボンなのか? そもそもこのシャフト、作り方からして通常のカーボンシャフトとは異なる。カーボンシャフトはカーボン繊維のシートを巻いて成形するのだが、このシャフトはそのシートの間にゴムの層が挟み込まれている。
それによって、振動の伝わり方が大きく異なり、打感が極めて軟らかく感じられるようになるという。論より証拠、下の動画をご覧あれ。最初に一般的なカーボンシャフトを倒した時の音、続いて今回の「MCパター」のシャフトを倒した時の音を聞き比べてみてもらいたい。
後者、すなわちMCパターのほうがはるかに音が小さい。それだけゴムの効果で振動が吸収されているということだ。
フレックスは2種類。HARDとSOFTで“大違い”
重量は同じ125gと一般的なパター用のスチールシャフトと同じ重量帯ではあるものの、フレックスは2種類あって、それぞれ大きな違いが見られた。特に”SOFT”のほうは手で曲げられるほど軟らかい。この“SOFT”フレックスの一番のメリットは切り返しで”間”が取れるようになるということ。
ヘッドの重量を感じながら打てるので切り返しで打ち急がずにインパクトでパンチが入ったり、ダフッたりしづらい。手打ちによるミスを自然と改善してくれる効果が感じられた。
一方”HARD”の方はというと、ごく一般的なスチールシャフトと変わらないフィーリングで打てるが、手に伝わる打感は軟らかい。
藤倉ゴム工業広報担当の甲斐哲平さんに話を聞いてみた。
「このシャフトはアイアン用のカーボンシャフトMCIの技術を取り入れながら、新しくゴムの層を取り入れることで余計な振動を抑え、軟らかい打感を実現しました。硬さの大きく異なる2つのフレックスにしたことも特徴です」
たしかにフレックスで硬さは大きく異なり、”SOFT”のほうはかなり軟らかくて、「練習用」のような印象だ。
「練習用としてもいいかもしれません。そしてもちろんコースでも使っていただけます。実際に昨年の国内女子ツアーで使った選手もいるんですよ。やはり、切り返しの間ができてストロークの改善に役に立ったと聞いています」
パターのシャフトを換えることでストロークの改善になるとは、パットにお悩みのゴルファーには朗報。ぜひ一度、お試しを。