まず言えるのは、両モデルともにMPならではの軟らかい打感と顔の良さの伝統を引き継ぎつつ、初速アップとスピン量の最適化をしてきたな、ということです。どちらもロフトは“選べない”設定で、7.5〜11.5度の範囲で調整することが可能です。ライ角も8.5〜10.5度まで調整できるため、ドロー、フェードどちらの持ち球にも対応してくれるのもいいところと言えるでしょう。
それでは、タイプ1とタイプ2でどう異なるのか、具体的に見ていきましょう。
「フェアウェイ右にフェードだな」そんな狙いに応えてくれる“タイプ1”
435CCの小ぶりなヘッドで、往年の名器・MPクラフト425の流れを確実に引き継いでいるのがこの「MPタイプ1」です。実際に打ってみても、“425”を思わせる打感の柔らかさがありますが、ソールの溝効果か弾き感は十分にあり、飛距離性能はたしかにアップしているように感じます。
特徴的なのはスピン量。最新モデルらしく、スピン量少なめで、前へ前へと進む中弾道が打ちやすくなっています。弾きの良さに加え、これも飛距離を伸ばす要素です。
弾きの良さに低スピンと、“今どき”の要素を持つドライバーですが、オートマチックに真っすぐ飛ばすというタイプのクラブではありません。そこはやはりMPシリーズ、「フェアウェイの右サイドをキープしたい」「フェアウェイバンカーの左を狙っていきたい」といったように、狙いを定めて攻めたい人が、球筋をつくりながらプレーしやすい作りになっています。
実際にコースで打ってみても、ホールのレイアウトに合わせてちょっとつかまえてみよう、ここはフェードで狙おうといった攻め方が非常にしやすかったです。
ドーン! と大きい球で攻めたい人に。460CCの“タイプ2”
一方のタイプ2はどうでしょうか。タイプ1より25CC大きい460CCのフルサイズですが、投影面積が大きすぎないため、締まった印象を受けます。デカヘッドはどうも苦手で……という人でも、これなら違和感なく構えられそうです。
こちらもタイプ1同様に低スピンですが弾道は高め。同時に、ウェートがソール後方に設定されているためフェースの高初速エリアが広く、芯を外したときの距離の落ち込みが少ないように感じられました。
タイプ2は、ボールを左右に曲げながら攻めるというより、ドーンと真っすぐ飛ばしたい人に向くクラブと言えます。どちらもプロ使用クラブとのことなので、そこは“お好み”ですね。
打感の良さ・顔の良さに加えてデザインもシック。どちらを選んでも、満足感を得られるドライバーと言えそうです。