ムチのように腕とクラブを体に巻きつけてスピンコントロールしている
ガルシアのスウィングといえば、腕とクラブをムチのように大きくしならせることでクラブを最大限に加速させ、インパクトのエネルギーに変えているのが印象的です。
まずバックスウィングでは、コックを使わず体の回転だけでクラブを上げていき(写真下左)、上半身がトップのポジションを迎える前に下半身がダウンスウィングへと入っていきます(写真下中)。
その直後に腕が真下に落ちて、低く、フラットなポジションに入っていくのですが、その際に手首や腕が力んでいないため、体に巻きつくような動きになっています(写真下右)。タメが大きいにも関わらず、スウィング軌道がフラットなためにクラブの入射角はゆるやか。
その結果、ボールが吹け上がることもなく、スピンがコントロールされています。フェアウェイキープ率が80%を超えることからもわかりますが、これがガルシアの安定したショット力の秘密と言えそうです。
左足かかと重心でハンマー投げのような大きなパワーを引き出す
インパクトからフォローにかけての動きを見ると、ハンマー投げのように遠心力を最大限に使っていることがわかります。下の写真をみてください。左足の重心がややかかと寄りで、クラブと引っ張り合っているように見えると思います。こうすることによって大きなパワーを生み、飛距離に結びつけています。
インパクトは通過点。よどみなく振り抜かれたフィニッシュ
フィニッシュも素晴らしいですね。首の後ろにシャフトが当たるくらい、しっかり振り抜けています。まさしく”インパクトは通過点”というよどみのないスウィングです。こういう思い切りの良さは、ぜひアマチュアのみなさんも見習ってもらいたいですね。
1999年の全米プロでタイガーを1打差まで追い詰めて鮮烈なデビューを飾ってから18年。メジャーに挑戦し続けること74回にして、ついに栄冠に手が届いたガルシア。まだまだ飛距離も衰えていませんし、ショット力は世界屈指。これからも活躍が楽しみです。